家庭教師の個人契約は、仲介手数料が引かれない分、同じ指導をしても手取りが増えます。ところが実際に始めてみると、多くの人が最初にぶつかるのが「そもそも生徒が見つからない」という壁です。
私自身、大学時代から15年間、大手派遣会社と個人契約の両方で家庭教師を続けてきました。個人契約に切り替えた当初は、応募しても返信が来ない、体験指導まで進んだのに連絡が途切れる、ということが何度もありました。
ただ、生徒が集まらない原因の多くは「運」ではなく、見直せるポイントに集約されます。この記事では、実際に効果があった改善点を、優先度の高い順に5つ解説します。
1. 露出が1か所に偏っていないか
最も多いのが、掲示板やサイトを1つだけ登録して止まっているケースです。個人契約は、そもそも見てもらえる母数がなければ何も始まりません。
掲示板型・マッチングサービス型・知人紹介と、性質の違う経路を最低でも2〜3系統は確保してください。あわせて重要なのが、1件の返信を待って止まらないことです。ご家庭は複数の先生と並行して話を進めています。こちらも複数と並行するのが前提で、1件ずつ順番に待っていると、いつまでも指導が始まりません。
2. プロフィールが「経歴の羅列」になっていないか
出身大学と指導歴だけを書いて終わっているプロフィールは非常に多いです。しかしご家庭が知りたいのは、あなたの経歴そのものではなく「うちの子の何が解決するのか」です。
例えば、こう変えるだけで反応が変わります。
- ✕ 改善前:「東京大学卒。指導歴10年。英語・数学が得意です。」
- ◯ 改善後:「定期テストで平均点に届かない中学生を、3か月で平均+20点まで引き上げた経験があります。まずはつまずきの原因を一緒に特定するところから始めます。」
実績を数字で語り、指導の入り口を具体的に示す。この2点があるだけで、同じ経歴でも選ばれやすさが変わります。
3. 時給に「根拠」がついているか
金額だけを提示すると、ご家庭には高いか安いかしか判断できません。その金額で何ができるかをセットで伝えるのが鉄則です。
個人契約の時給の目安は次のとおりです。
| 対象 | 個人契約の時給目安 |
|---|---|
| 小学生 | 1,500〜2,500円 |
| 中学生 | 2,000〜3,000円 |
| 高校生 | 2,500〜3,500円 |
| 中学受験・医学部受験など | 5,000円〜 |
私自身は、社会人になった現在は時給3,000円、1コマ2時間を週5コマで指導しています。金額を聞かれたときは必ず「時給◯◯円です。◯◯の経験があるので、まずは△△を◯か月で仕上げます」という形で、値段の交渉ではなく価値の説明をするようにしています。詳しい相場は家庭教師の個人契約の相場でも解説しています。
4. 最初の1通の「速さ」と「中身」
ご家庭は同時に複数の先生へ問い合わせています。返信が遅いというだけで候補から外れます。24時間以内、できればその日のうちに返すのが理想です。
そして最初の1通には、次の3点を必ず入れてください。
- 相手が書いた悩みへの言及(読んでいることが伝わる)
- その悩みに対して自分が何をできるか
- 次のアクションの提案(体験指導の提案と日程候補を2〜3つ)
特に3つ目が抜けている人が多いです。こちらから日程候補まで出すと、やり取りの往復が減り、そのまま体験指導につながりやすくなります。
5. 対面だけに絞っていないか
対面のみに限定すると、通える範囲の生徒しか対象になりません。オンラインを併用するだけで、対象になる生徒の母数は一気に広がります。
実際、当サイトに登録している先生15名のうち14名がオンライン指導に対応しています。オンライン対応は、いまや個人契約で生徒を確保するための標準装備になりつつあります。地方在住でも都市部の生徒を担当できますし、移動時間がゼロになる分、実質時給も上がります。
それでも集まらないなら、出会いの母数を増やす
ここまでの5つを直しても埋まらない場合、原因は指導力ではなく単純に露出の母数が足りていないことがほとんどです。個人契約の最大の弱点は、実力ではなく「出会う手段がない」ことにあります。
私がダイレクトティーチャーを作ったのは、まさにこの「最初の出会い」だけを提供するためです。先生の登録・掲載は無料で、毎月の紹介料や中間マージンは一切かかりません。時給がそのまま手取りになります。プロフィールを掲載しておけば、条件の合うご家庭から応募が届きます。
よくある質問
Q. 個人契約を始めてから、生徒が見つかるまでどれくらいかかりますか?
A. 複数の経路に登録して並行して動けば、数週間で最初の問い合わせが来ることが多いです。1か所だけ登録して待っていると、数か月動かないこともあります。返信が来ない、体験指導後に連絡が途切れるのは個人契約では普通に起こるため、常に複数と並行して進めるのが前提です。
Q. 指導経験が浅くても個人契約で生徒は集まりますか?
A. 集まります。ご家庭が見ているのは経歴の長さより「うちの子の課題を解決してくれそうか」です。指導歴が短くても、対象学年と科目を絞り、どんな進め方をするかを具体的に書いたプロフィールの方が選ばれやすくなります。
Q. 派遣会社に登録しながら個人契約もできますか?
A. 会社によっては、その派遣を通じて知り合った生徒と個別に契約することを規約で禁止しています。派遣経由で出会った生徒と直接契約する形は契約違反になり得るため注意が必要です。一方、派遣とは無関係に自分で見つけた生徒との個人契約は通常問題ありません。所属先の規約を必ず確認してください。
Q. オンラインだけでも生徒は集まりますか?
A. 集まります。当サイトに登録している先生15名のうち14名がオンラインに対応しており、地域を問わず指導できるため対象の母数が広がります。移動時間がゼロになるぶん、実質的な時給も上がります。
まとめ
生徒が集まらないときに見直すのは、①露出の経路を複数持つ、②プロフィールに解決できることを書く、③時給に根拠をセットにする、④最初の1通を速く・具体的に返す、⑤オンラインを併用する、の5点です。
個人契約は、返信が来ないことも音信不通も普通に起こります。そこで落ち込む必要はなく、上の5つを整えて母数を増やせば、確率は着実に上がります。契約時の注意点は個人契約の注意点にまとめてあります。
なお、先生側から見た個人契約の実情(返信が来ない、音信不通、時給交渉の切り出し方など)は、noteの記事「家庭教師の個人契約、先生側から見たリアル」により具体的に書いています。あわせてどうぞ。