家庭教師の個人契約で使える契約書・合意メモのテンプレートを、コピペOKの形で用意しました。「契約書は本当に必要?」「何を書けばいい?」という疑問に、大手派遣会社と個人契約の両方を経験した立場から具体的に答えます。
家庭教師の個人契約を始めるとき、「契約書は交わすべきか」で迷う人は多いです。結論から言います。正式な契約書は不要です。ただし、合意メモは必ず作ってください。
私は指導歴15年で個人契約を続けていますが、契約書を作ったことは一度もありません。それでもトラブルになったことはありません。理由は、契約書の代わりに条件を文字で残すことを必ずやっているからです。
なぜ正式な契約書は要らないのか
個人と家庭の間で、収入印紙を貼るような契約書を交わすのは、正直かなり大げさです。相手にとっても身構える材料になり、「そこまでするなら他の先生に…」と逆効果になることさえあります。
そもそも、個人契約のトラブルの大半は法律論ではありません。「言った・言わない」から始まります。「キャンセル料は取らないと言っていたはず」「支払いは月末じゃなかったのか」——この種の食い違いです。
つまり必要なのは法的な拘束力ではなく、お互いの認識を一致させた記録です。それには数行のメモで十分に機能します。
合意メモに入れるべき6項目
過不足なくカバーするには、次の6つを押さえてください。
- 指導する曜日と時間(1回あたり何時間か)
- 時給と1回あたりの金額
- 交通費の扱い(実費か、なしか)
- 支払い方法とタイミング(毎回現金か、月末振込か)
- キャンセルの扱い(何時間前までなら無料か)
- 終了するときのルール(何週間前に伝えるか)
特に抜けやすいのが4と5です。支払いのタイミングとキャンセル規定は、揉める頻度が圧倒的に高いので必ず入れてください。
そのまま使える合意メモのテンプレート
以下をコピーして、◯の部分を埋めてLINEやメールで送るだけです。
ポイントは最後の一文です。「ご返信をお願いします」と書いて、実際に返信をもらうこと。これで「送っただけ」ではなく「双方が合意した記録」になります。ここまでやって初めて意味を持ちます。
送るタイミングは「体験指導の直後」
ベストなのは、体験指導が終わって「ぜひお願いします」となった直後です。この段階なら条件確認は自然な流れで、警戒もされません。
逆に、指導が何回か進んでから急に条件確認を送ると、「何かあったのか」と身構えられます。最初にやるから、ネガティブな印象にならないのです。
条件が変わったら、そのつど追記する
「来月から週2回に増やしたい」「受験前だけ時間を延ばしたい」——条件は途中で変わります。そのたびに、短くていいので文字で残してください。
「来月から毎週火曜と木曜の週2回、時給は据え置きでお願いします」の一行で十分です。口頭だけで変更すると、そこが後の食い違いの種になります。
そのまま使える契約書テンプレート(コピペ可)
個人契約では前述の合意メモで十分なことがほとんどですが、「きちんと契約書の形にしたい」「保護者から書面を求められた」という場合もあります。そんなときのために、家庭教師の個人契約で使えるシンプルな契約書のテンプレートを用意しました。以下をコピーして、日付・氏名・条件を埋めるだけで使えます。
とはいえ、個人契約では署名・押印した正式な契約書がなくても、LINEやメールで条件を残した合意メモでも法的には有効です。まずは手軽な合意メモから始め、金額が大きい・長期になるなど不安がある場合に契約書の形にする、と考えれば十分です。契約書と合意メモの使い分けは次の比較表も参考にしてください。
口約束・合意メモ・契約書はどう違う?
契約の残し方には段階があります。個人契約の家庭教師なら、間を取った「合意メモ」がちょうどいい落としどころです。
| 方法 | 手間 | トラブルの防ぎやすさ | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 口約束のみ | なし | 低い(避けたい) | — |
| 合意メモ | 小さい | 高い | 個人契約の標準 |
| 正式な契約書 | 大きい | 最も高い | 法人・高額の契約 |
堅い契約書までは不要です。時給・回数・交通費などの要点をメモで残すだけで、トラブルの大半は防げます。
合意メモがなくて起きたトラブル例
個人契約で実際に起きやすいのがこの3つです。① 指導料の未払い「今月分の回数が記録になく、支払ってもらえなかった」。② 交通費の認識ずれ「交通費が出る前提だったのに含まれていなかった」。③ キャンセル料でもめる「急な休みの扱いを決めておらず、料金で揉めた」。いずれも、時給・回数・交通費・キャンセル規定をメモに一行入れておくだけで防げます。口頭だけで進めず、体験指導の直後に必ず文面で残しましょう。時給の決め方は時給交渉のコツも参考になります。
よくある質問
Q. LINEでのやり取りでも記録として有効ですか?
A. 実務上は十分機能します。目的は法廷で争うことではなく、お互いの認識を一致させることだからです。ただしトーク履歴は消える可能性があるので、重要なやり取りはスクリーンショットで保存しておくと安心です。
Q. 未成年の生徒の場合、誰と合意すればいいですか?
A. 必ず保護者の方と条件を確認してください。支払いに関わる話なので、生徒本人とのやり取りだけで進めるのは避けるべきです。
Q. 相手が返信をくれない場合は?
A. 指導を始める前に、もう一度だけ確認を送ってください。それでも反応がない場合、支払い条件が曖昧なまま始めることになるのでリスクがあります。開始を急がず、口頭でも構わないので必ず確認を取ってください。
Q. 授業料が支払われなかったらどうすればいいですか?
A. まずは合意メモを示して、支払いタイミングを確認する連絡を入れます。多くは失念によるものです。記録があれば話がこじれにくく、これが合意メモを作る最大の理由です。
まとめ
個人契約に正式な契約書は不要ですが、記録はゼロにしないでください。上のテンプレートを体験指導の直後に送り、返信をもらう。これだけでトラブルのほとんどは防げます。