こんにちは、ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。
以前は12年間、葬儀社でプランナーとして働いており、これまでに800件を超えるご葬儀をお手伝いさせていただきました。その中で、ご遺族の方々から本当にさまざまなご相談をいただきました。
「この服で参列しても大丈夫ですか?」 「お香典はいくら包めばいいですか?」 「お焼香の作法を教えてください」
ご葬儀は人生でそう何度も経験することではありません。だからこそ、「これでいいのかな?」「間違っていないかな?」と、ご遺族も参列者の方も、不安や戸惑いを抱えていらっしゃることがほとんどです。
その中でも、特に最近増えているご質問が「葬式にぬいぐるみを持って行ってもいいですか?」というものです。
例えば、
「故人が大好きだったクマのぬいぐるみをお棺に入れてあげたいのですが…」 「子供が、おばあちゃんにプレゼントした人形を一緒に連れて行ってあげたいと言っているのですが、非常識でしょうか?」 「孫が描いた似顔絵を、大好きなじいじに持たせてあげたい」
このようなご質問をいただくたびに、私はいつも心を打たれてきました。故人への深い愛情と、最後の瞬間まで「何かしてあげたい」という優しい気持ちが伝わってくるからです。
結論から言うと、葬式にぬいぐるみや、故人様への想いが詰まった品物を持っていくことは、まったく問題ありません。むしろ、故人様とのお別れをより温かく、心に残るものにする大切な行為だと私は考えています。
しかし、知っておくべきこともいくつかあります。この記事では、元葬儀社プランナーである私の経験を踏まえ、「葬式にぬいぐるみを持っていくこと」について、知っておくべきことをすべて解説します。
- お棺に入れてあげられるもの・入れられないもののルール
- 葬儀の形式ごとの注意点
- 参列者として持参するときのマナー
- 葬儀後の遺品整理で後悔しないためのヒント
など、大切な方との最後のお別れを後悔しないための知識を、心を込めてお伝えします。
故人様とぬいぐるみ。最後のお別れを演出する温かな絆
ご葬儀とは、故人様とのお別れの儀式であると同時に、残されたご家族が故人様との思い出を振り返り、気持ちに区切りをつけるための大切な時間でもあります。
その中で、故人様が生前大切にしていたぬいぐるみや、ご家族が故人様を想って用意したぬいぐるみは、とても重要な役割を果たします。
例えば、故人様が生前、いつも枕元に置いていたテディベア。 長年連れ添った奥様が、旅行に行くたびに買ってきてくれたお土産のぬいぐるみ。 お孫さんが初めてプレゼントしてくれた、手作りのフェルト人形。
そうした品々には、単なる「モノ」を超えた、故人様との温かな思い出や愛情が深く刻まれています。
ご葬儀の祭壇にそうしたぬいぐるみを飾ったり、ご出棺の際にお棺の中へ入れて差し上げたりすることで、故人様との絆が目に見える形で表現され、ご遺族の心も少し癒されることがあります。
特に、小さなお子さんがいるご家庭では、おじいちゃんやおばあちゃんを亡くしたことを理解するのが難しい場合があります。「天国へ行くおじいちゃん(おばあちゃん)のために」と、お子さんが心を込めて選んだぬいぐるみをお棺に入れてあげることは、お子さん自身の気持ちを整理する上で、非常に大切な意味を持ちます。
私がお手伝いしたご葬儀でも、小さなお子さんが「おばあちゃん、天国で寂しくないように、このウサギのぬいぐるみを一緒に持って行ってね」と、涙ながらにお棺に入れていた光景は、今でも忘れられません。
ご葬儀の形式が多様化している現代において、「故人様らしさ」や「ご遺族の想い」を大切にする傾向が強まっています。そうした中で、ぬいぐるみは「故人様との絆」を象徴する、温かいアイテムの一つと言えるでしょう。
葬式でお棺にぬいぐるみを入れる際のルールと注意点
「故人の愛用品をお棺に入れてあげたい」というお気持ちは、ご遺族にとって当然の願いです。しかし、実はなんでもお棺に入れられるわけではありません。
火葬の際に問題が発生する可能性があるため、いくつかのルールがあるのです。
【お棺に入れてもOKなもの】
- 故人様の愛用品:手紙、折り紙、写真(故人様のみが写っているもの)、衣類
- 食べ物:故人様が生前好きだったお菓子やパン(少量)
- 花:生花
【お棺に入れられないもの(注意が必要なもの)】
- 火葬の妨げになるもの:厚手の書籍、大きな金属製品、ガラス製品、プラスチック製品、化学繊維の衣類、ゴルフボールなど
- 燃えると有害なガスを発生させるもの:ビニール製品、化学繊維の衣類、スプレー缶など
- 火葬炉を傷つける可能性があるもの:陶器類、缶、瓶など
- お金:燃やしても大丈夫なようにお金を包む「六文銭」という風習もありますが、現代では硬貨や紙幣をそのまま入れることはできません。
— ぬいぐるみの場合はどうでしょうか? —
- ぬいぐるみ:基本的にはOKです。ただし、注意すべき点がいくつかあります。
- サイズ: あまりにも大きなぬいぐるみは、お棺のスペースを取ってしまい、火葬が難しくなることがあります。手のひらサイズのものや、お棺に収まるサイズのものを選ぶのが賢明です。
- 素材: 化学繊維でできたものは、火葬の際に燃え残りやすかったり、有毒ガスを発生させたりする可能性があるため、注意が必要です。綿や天然素材でできたものを選ぶのが理想的です。心配な場合は、事前に葬儀社に相談しましょう。
- 付着物: プラスチックの目玉やボタン、金属製のアクセサリーが付いている場合は、取り外しておくのが望ましいです。
「これを一緒に入れてあげたいけど、大丈夫かな?」と少しでも不安に思ったら、遠慮なく担当の葬儀社プランナーに相談してください。
私自身、葬儀社で働いていた時、ご遺族から「このゴルフボール、一緒に入れてあげたいんですが…」と相談されたことが何度もありました。火葬炉の故障の原因になる可能性があるため、丁寧にご説明し、代わりにお手紙を添えていただくことを提案したりしました。
大切なのは、故人様への想いを伝えること。形にこだわるよりも、その気持ちを大切にすることが何よりも重要です。
もし、ご自身やご家族の葬儀について、費用や形式、準備について不安なことがあれば、一度専門家にご相談されることをおすすめします。突然のことで慌てないためにも、事前に情報を集めておくことはとても大切です。
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良い葬儀社を選ぶことは、後悔しないお別れをするための第一歩です。
参列者がぬいぐるみを持っていく際のマナー
「親友が亡くなって、一緒に旅行した時に買ったぬいぐるみをどうしても持っていきたい」 「子供が、大好きだったおじいちゃんに最後のプレゼントとしてぬいぐるみを渡したい」
ご遺族以外の参列者の方から、このようなご相談をいただくこともあります。
この場合、一番大切なのは「ご遺族の気持ちを尊重すること」です。
ご遺族にとって、大切な方の死はただでさえ心の整理がつかない状態です。そこに、参列者の方が持ち込んだものが、ご遺族の意図しない形でトラブルの原因になってしまっては、せっかくの温かい気持ちも台無しになってしまいます。
【参列者がぬいぐるみを持参する際のポイント】
- 事前にご遺族に相談する: 必ず事前にご遺族に「このぬいぐるみを、お棺に入れていただいてもよろしいでしょうか?」と相談しましょう。ご遺族が「どうぞ」と承諾してくださった場合のみ、持参するようにしてください。
- サイズと素材に配慮する: 燃えにくい素材や、大きすぎるものは避けましょう。火葬の際に問題が発生する可能性があるためです。
- 故人様との関係性を考える: 故人様との思い出の品であれば、ご遺族も喜んでくれる可能性が高いです。しかし、関係性が薄い場合は、控えた方が無難かもしれません。
- どうしても直接渡したい場合: ご遺族が了承してくれなかった場合でも、無理強いは絶対にしないでください。「お別れの言葉」を添えたメッセージカードを添えるだけでも、十分に気持ちは伝わります。
ご葬儀の服装に関しても、参列者としてのマナーを守ることが大切です。 特に、喪服を持っていない方や、久しぶりに着る方にとっては、サイズが合わなかったり、流行遅れのデザインだったりすることもあるでしょう。 そんな時は、高品質な喪服をレンタルするという方法があります。
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葬儀を終えてからの「遺品整理」とぬいぐるみ
ご葬儀を終えると、次にご遺族を悩ませるのが遺品整理です。
故人様が残された品々を整理することは、故人様との思い出を振り返る大切な時間であると同時に、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
特に、故人様が大切にしていたぬいぐるみや、お子さんやお孫さんからもらったプレゼントなど、思い出の詰まった品は「捨てるに捨てられない」という方がほとんどです。
私がお手伝いしたご遺族の中には、故人様の部屋をそのままにしてしまい、数年経っても手つかずの状態になってしまった方もいらっしゃいました。
「いつか整理しなきゃ…」と思いつつも、なかなか踏み出せない気持ちは痛いほどよくわかります。
【遺品整理で後悔しないために】
- 無理をしない: 遺品整理は、心の整理がついてからで大丈夫です。急いで行う必要はありません。
- 家族で話し合う: ご家族みんなで話し合い、故人様との思い出を分かち合いながら、何をどうするか決めていくことが大切です。
- 「残すもの」「手放すもの」を決める: すべての品物を残しておくことは難しい場合が多いです。写真に撮ったり、日記に書き留めたりして、思い出を形に残す方法もあります。
- 専門の業者に依頼する: 遺品整理は、想像以上に大変な作業です。自分たちだけでは難しいと感じた場合は、専門の業者に依頼することも検討しましょう。
遺品整理専門の【ライフリセット】は、故人様のお部屋に残された遺品や不要物を、ご遺族に代わって丁寧に整理してくれるサービスです。 ご家族の負担を減らし、故人様を偲ぶ時間を大切にするためにも、プロの力を借りるという選択肢を視野に入れておくことは非常に有効です。 生前整理をご検討されているご本人様が、直接依頼されるケースも増えています。
ぬいぐるみ供養という選択肢
「故人が大切にしていたぬいぐるみを、どうしても捨てることができない…」 「でも、ずっと家に置いておくのも…」
そうしたお悩みを抱えているご遺族も少なくありません。
ぬいぐるみには、故人様の魂や想いが宿っていると考える方も多く、ただゴミとして処分することに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
そんな方におすすめしたいのが、「ぬいぐるみ供養」です。
ぬいぐるみ供養とは、お寺や神社で、故人様の愛したぬいぐるみや人形に感謝を伝え、供養してもらう儀式のことです。お焚き上げをしてもらう場合もありますし、お寺によっては、ぬいぐるみ供養の法要をしてくれるところもあります。
【ぬいぐるみ供養の流れ(一例)】
- 供養してくれるお寺や神社を探す: 近くのお寺や神社に問い合わせるか、「ぬいぐるみ供養 〇〇(お住まいの地域)」で検索してみましょう。
- 供養を依頼する: 供養したいぬいぐるみをお寺や神社に持ち込むか、郵送で送る場合もあります。
- 供養料を納める: 供養には、お布施や供養料がかかります。金額は、お寺や神社によって異なりますので、事前に確認しましょう。
- 供養が行われる: 供養の儀式が行われ、感謝の気持ちとともに、お別れをします。
ご自宅で供養の気持ちを伝えるだけでも、十分な供養になります。 「いままでありがとう」と優しく声をかけながら、丁寧に拭いてあげたり、思い出を振り返ったりするだけでも、故人様との絆は深まります。
葬式後の「お返し」にも故人様の想いを
ご葬儀が終わると、次にご遺族が対応しなければならないのが「香典返し」です。
香典返しとは、故人様への供養のためにいただいた香典に対し、お礼の気持ちを込めて贈る品物のことです。
「失礼のないように、きちんと選びたい」 「でも、何を贈ればいいのかわからない…」
そうしたお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
香典返しは、昔ながらの慣習にとらわれすぎず、故人様らしさや、感謝の気持ちが伝わる品物を選ぶことが大切です。
【香典返しを選ぶ際のポイント】
- 金額の目安: いただいた香典の半額〜3分の1程度が一般的です。
- 品物の選び方:
- 「消え物」を選ぶ: 石鹸、洗剤、お茶、お菓子など、使ったらなくなるものが良いとされています。「不幸が残らないように」という意味合いがあります。
- カタログギフト: 相手に好きなものを選んでもらえるため、非常に人気があります。
- 時期: 四十九日の法要を終えた後、忌明けにご挨拶状を添えて贈るのが一般的です。
香典返しをどこで選べばいいか迷ったら、【シャディギフトモール】がおすすめです。 シャディは1926年創業のギフト専門店で、様々な用途に対応した1万点以上の商品を取り揃えています。 香典返しの定番商品から、故人様やご遺族の想いが伝わるようなカタログギフトまで、幅広い選択肢の中から選ぶことができます。
後悔しないお別れのために、今できること
この記事では、「葬式にぬいぐるみを持って行くこと」をテーマに、お棺に入れる際のルールや、参列者としてのマナー、そしてその後の遺品整理について解説してきました。
ご葬儀とは、ただ形式に則って行われる儀式ではありません。 故人様との最後の時間を、ご遺族がどのように過ごし、どのように気持ちに区切りをつけるか、その一つ一つが大切な思い出となります。
故人様を想う温かい気持ち。その気持ちを形にするために、「ぬいぐるみ」という存在は、非常に重要な役割を果たしてくれます。
「これでいいのかな?」 「これは非常識ではないだろうか?」
そうした不安を抱いた時は、遠慮なく専門家に相談してください。 私も葬儀社で働いていた時、ご遺族からのどんな小さな質問にも、誠心誠意お答えしてきました。
「後悔しないお別れ」のために、今できる準備を一緒に考えてみませんか?
この記事が、大切な方とのお別れに直面しているあなたの、心の支えに少しでもなれば幸いです。
最後に、この記事の内容と合わせて読んでいただきたい、関連するブログ記事をいくつかご紹介します。 ご葬儀の準備やマナーについて、さらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
筆者プロフィール:Keisuke(けいすけ)|元葬儀社プランナーの終活ブログ運営者
こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。
現在42歳。地方の中堅都市で、妻と2人の子ども(中2と小5)と暮らしています。以前は12年間、葬儀社でプランナーとして働いており、これまでに担当したご葬儀はのべ800件を超えました。
業界に入ったのは、20代後半に父を突然亡くしたことがきっかけです。右も左もわからず葬儀の手配に奔走し、精神的にも経済的にも本当に苦しかった経験があります。「同じ思いをする人を少しでも減らしたい」と思い、業界に飛び込みました。
現場では、日々ご遺族の不安や戸惑いに寄り添いながら、費用や手続き、宗教儀礼やマナーについて数えきれないほど相談を受けてきました。しかし同時に、「情報の格差」によって損をしてしまう人が多い現実も見えてきました。
退職後は、家族との時間を大切にしたくて在宅ワークに切り替え、このブログを立ち上げました。お葬式の基本や費用の仕組み、避けられるトラブル、信頼できるサービスの選び方など、わかりやすく丁寧に発信しています。
終活やお墓のこと、エンディングノートや保険なども少しずつ扱っていきます。
「後悔しないお別れ」のために、今できる準備を一緒に考えてみませんか?
あなたやご家族の未来が少しでも安心に近づくよう、心を込めて運営しています。