葬式での花輪の全て|選び方からマナー、費用まで元葬儀社プランナーが徹底解説

雑学

こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。

以前は12年間、葬儀社でプランナーとして働いており、これまでに担当したご葬儀はのべ800件を超えました。右も左もわからないまま父を亡くし、葬儀の手配に苦労した経験から、「同じ思いをする人を少しでも減らしたい」という思いでこの業界に飛び込みました。

葬儀の現場で日々、ご遺族の不安や戸惑いに寄り添う中で、私はひとつの現実を目の当たりにしてきました。それは、多くの人が葬儀に関する「情報の格差」によって、本来なら避けるべき後悔や損をしてしまうということです。特に、葬式で欠かせない花輪ひとつをとっても、「何をどう選べば良いのか」「マナーはどこまで気にすべきなのか」といった疑問や不安を抱えている方は少なくありません。

この記事では、元葬儀社プランナーとしての私の経験と知識を総動員して、葬式における花輪の全てを徹底的に解説します。花輪を贈る立場の方、受け取る立場の方、それぞれが安心して故人様とのお別れに臨めるよう、選び方から費用相場、そして知っておくべきマナーまで、わかりやすく丁寧にお伝えします。


葬式に欠かせない花輪の基礎知識

葬儀会場の入り口や祭壇の周りを彩る、色とりどりの花々。その中でもひときわ目を引くのが、背の高い花輪です。花輪は、故人様への供養の気持ちを表すとともに、故人様がどれだけ多くの方に慕われていたかを示す大切な要素でもあります。しかし、一口に花輪と言っても、その種類や意味合いは多岐にわたります。

花輪とは?その歴史と意味

花輪は、もともと「輪」の形をした供花が起源と言われています。故人様を悼み、その魂を安らかに送るための儀式において、生け花を捧げる風習が古くからありました。時代とともにその形は変化し、現代では竹や木材で組まれた枠に造花や生花を飾ったものが主流となっています。

花輪が持つ意味は、故人様への供養の気持ちだけでなく、ご遺族への「悲しみを共にします」という慰めの気持ちでもあります。また、花輪を贈る行為は、故人様が所属していた会社や団体、親族といった「贈った人の社会的立場」を示す役割も果たしてきました。

現代では、葬儀の形式が多様化し、家族葬や一日葬といった小規模な葬儀が増えたことから、花輪を飾らないケースも増えています。しかし、一般葬や社葬など規模の大きな葬儀では、今なお花輪が重要な役割を担っています。

葬式で使われる花の種類

葬式で使われる花には、いくつかの種類があります。それぞれの特徴と、贈る際のマナーについて見ていきましょう。

  1. 供花(きょうか・くげ) 供花は、祭壇や会場の周りに飾られる花のことです。花輪とは異なり、祭壇を囲むように配置されることが多く、故人様を華やかに送り出す役割を担います。供花は、故人様との関係性によって、その贈り方や金額が異なります。
  2. 枕花(まくらばな) 故人様が亡くなられてすぐ、ご遺体の枕元に飾る花のことです。多くは親族やごく親しい友人など、特に深い関係性の人が贈ります。枕花は、故人様の旅立ちを静かに見守るための、控えめで優しい花が選ばれます。
  3. 花輪(はなわ) この記事の主題である花輪は、会場の外や受付近くなど、特に目立つ場所に飾られることが多く、故人様への弔意を広く知らしめる役割があります。花輪を贈る際は、事前に葬儀社に連絡し、設置場所や様式について確認することが大切です。

後悔しない花輪の選び方|知っておくべきポイント

いざ花輪を贈ろうと思っても、「どんな花輪を選べば良いのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ここでは、後悔しない花輪選びのポイントを3つに分けて解説します。

1. 葬儀の形式と規模を把握する

まず最も重要なのは、執り行われる葬儀の形式と規模を把握することです。

  • 一般葬・社葬: 多くの人が参列する大規模な葬儀では、花輪は会場の雰囲気を華やかにし、故人様への弔意を示す重要な役割を果たします。このような葬儀では、複数の花輪が並ぶことが多いため、他の方の花輪とのバランスも考慮し、適度な大きさのものを選ぶと良いでしょう。
  • 家族葬・一日葬: 近親者のみで行う小規模な葬儀では、花輪を辞退するケースが増えています。ご遺族が「身内だけで静かに送りたい」と考えている場合、花輪を贈るとかえってご遺族に気を遣わせてしまう可能性があります。必ず事前にご遺族や葬儀社に確認しましょう。

2. 予算と相場を理解する

花輪の費用は、大きさや使用する花の種類、造花か生花かによって大きく異なります。

  • 造花の花輪: 1基あたり1万円〜2万円程度が相場です。一度設置すれば枯れる心配がなく、天候にも左右されにくいというメリットがあります。
  • 生花の花輪: 1基あたり2万円〜5万円程度が相場です。生花ならではの美しさや香りが、故人様への深い哀悼の意を伝えます。

最近では、生花をメインにした「フラワースタンド」と呼ばれるものが主流になりつつあります。これは花輪のように背が高く、祭壇の横や入り口に飾られることが多く、よりモダンで洗練された雰囲気を演出します。費用は2万円〜4万円程度が相場です。

3. 地域や宗教による違いを知る

花輪の文化は、地域や宗教によっても違いが見られます。

  • 地域: 関西地方では花輪の文化があまり根付いておらず、代わりに「供花」を贈ることが一般的です。一方、関東地方では花輪を飾る風習が強く残っています。
  • 宗教: 仏式では菊やユリ、カーネーションなど落ち着いた色の花が選ばれます。キリスト教式では、白い花を中心にシンプルにまとめるのが一般的です。神式では、榊(さかき)が使われることもあります。

これらの違いを考慮せず花輪を贈ってしまうと、意図せずマナー違反になってしまうこともあります。迷った場合は、葬儀を依頼している葬儀社に相談するのが一番確実です。

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花輪を贈る際のマナーと注意点

花輪は故人様への弔意を示す大切な手段ですが、いくつかのマナーを守る必要があります。

1. 贈るタイミングと手配方法

訃報を受けたら、まず最初に花輪を贈っても良いかどうかを確認します。ご遺族から「供花や花輪はご辞退申し上げます」という旨の連絡があった場合は、その意向を尊重しましょう。

贈ることが許されている場合は、葬儀社を通じて手配するのが一般的です。

  1. 葬儀社に連絡: 葬儀社に連絡し、花輪を贈りたい旨を伝えます。
  2. 詳細の確認: 葬儀の日程や会場、花輪の設置場所、費用などを確認します。
  3. 手配: 葬儀社の指示に従って、花輪の種類や札名(だれが贈ったかを示す名札)を指定します。

葬儀社によっては、提携している花屋があり、その花屋でしか手配できない場合もあります。まずは葬儀社に相談しましょう。

2. 札名(名札)の書き方

花輪に付ける名札は、誰が贈ったのかを示す大切なものです。書き方には決まりがあります。

  • 個人で贈る場合: フルネームで記載します。
  • 夫婦で贈る場合: 夫の名前をフルネームで記載し、その左横に「妻」と書くか、夫婦連名で記載します。
  • 会社や団体で贈る場合: 会社名や団体名を記載し、その下に代表者の役職と氏名を記載します。

名札の文字は、故人様への敬意を表すため、達筆な字体で書かれることが一般的です。

3. 花輪の設置場所と撤去

花輪は、葬儀会場の入り口や受付近くなど、参列者の目に留まりやすい場所に設置されます。撤去は、葬儀が終わった後、葬儀社のスタッフが行います。一般的に、通夜や告別式が終わるとすぐに撤去されるため、贈った花輪を最後まで見届ける必要はありません。


葬儀の準備に役立つ情報

葬儀には、花輪の手配以外にも様々な準備が必要です。故人様とのお別れを後悔なく迎えるために、今からできることをいくつかご紹介します。

1. 葬式の服装について

急な訃報で慌ててしまうのが、服装です。特に女性は、喪服だけでなく、バッグや靴、アクセサリーなど、準備すべきものが多岐にわたります。

  • 喪服: 黒の礼服が基本です。肌の露出を避け、控えめなデザインのものを選びましょう。
  • 小物: バッグは黒、靴はヒールの低いシンプルなパンプスを選びます。アクセサリーは真珠の一連ネックレスなど、落ち着いたものにしましょう。

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2. 葬式後の対応

葬儀が終わった後も、様々な手続きや対応が待っています。

  • 香典返し: 香典をいただいた方へのお返しです。香典の半額から3分の1程度の品物を贈るのが一般的です。品物を選ぶ際は、相手の年齢や家族構成を考慮し、失礼のないように注意しましょう。
  • 遺品整理: 故人様のお部屋に残された遺品や不要物を整理することです。ご遺族だけで行うのは、精神的にも肉体的にも大きな負担となることがあります。そのような場合は、専門業者に依頼するのも一つの方法です。

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故人様を偲びながら、心を込めて整理のお手伝いをいたします。生前整理をご希望される方も増えており、幅広い層の方にご利用いただいています。

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3. 香典返しにおすすめのギフト

香典返しの品物選びは、ご遺族にとって頭を悩ませるポイントの一つです。ここでは、香典返しにふさわしいギフトの選び方と、おすすめのサービスをご紹介します。

  • 定番の品物: お茶、コーヒー、海苔、お菓子、石鹸や洗剤など、使ったらなくなる「消え物」が一般的です。
  • カタログギフト: 相手に好きなものを選んでもらえるため、年齢や好みがわからない場合でも安心です。

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葬式後の手続きと心のケア

葬儀が終わった後も、故人様との別れに区切りをつけ、前向きに歩み出すためには、様々な手続きや心のケアが必要です。

1. 遺品整理と心の整理

遺品整理は、単に物を片付ける作業ではありません。それは故人様の人生を振り返り、ご遺族自身の心と向き合う大切な時間でもあります。しかし、故人様との思い出が詰まった品々を前に、なかなか手がつけられない、という方も多いでしょう。

そんな時は、無理をする必要はありません。専門の業者に依頼するのも一つの手です。業者によっては、遺品を一つひとつ丁寧に仕分けし、ご遺族の気持ちに寄り添った対応をしてくれます。物理的な整理だけでなく、心の整理にも繋がるでしょう。

2. 法要と供養

葬儀が終わると、四十九日法要や一周忌など、様々な法要が続きます。これらの法要は、故人様の魂を供養し、ご遺族が故人様を偲ぶ大切な機会です。

法要の準備は、事前に計画を立てて進めることが大切です。会場の手配、僧侶への連絡、参列者への案内、会食の手配など、やるべきことは多岐にわたります。わからないことがあれば、葬儀社や菩提寺に相談すると良いでしょう。

3. 心のケア

故人様を失った悲しみは、すぐに癒えるものではありません。時には、深い悲しみから抜け出せず、心身に不調をきたしてしまうこともあります。

そのような時は、一人で抱え込まず、信頼できる人に話を聞いてもらったり、専門のカウンセラーに相談したりすることも大切です。また、故人様との思い出を語り合ったり、故人様が好きだった場所を訪れたりすることも、心の癒しに繋がります。


葬式準備で役立つ情報源

この記事では、葬式における花輪を中心に、葬儀に関する様々な情報をお伝えしました。しかし、葬儀には、他にも知っておくべきことがたくさんあります。

私が以前、葬儀社で働いていた経験から、特に多くの方からご相談をいただいていたのが、「葬儀の服装」や「香典返し」、そして「葬式の流れ」についてでした。これらのことについて、より詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

これらの情報が、あなたやご家族の「後悔しないお別れ」のために少しでもお役に立てれば幸いです。


まとめ|故人様への想いを伝える花輪

葬式における花輪は、故人様への弔意と、ご遺族への慰めの気持ちを伝える大切な手段です。しかし、地域や葬儀の形式、宗教によってマナーや作法が異なります。

この記事で解説したポイントを参考に、故人様への最後の贈り物が、心温まるものとなることを心から願っています。

大切な方を亡くされたご遺族様にとって、葬儀は悲しみの中、様々な決断を迫られる大変な時間です。しかし、一つひとつの準備に心を込めることで、故人様への深い愛情を伝えることができると私は信じています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

もし、葬儀の準備に関して、さらに知りたいことや不安なことがあれば、いつでもご相談ください。このブログが、あなたやご家族の未来が少しでも安心に近づくよう、心を込めて運営しています。


筆者プロフィール:Keisuke(けいすけ)|元葬儀社プランナーの終活ブログ運営者

こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。 現在42歳。地方の中堅都市で、妻と2人の子ども(中2と小5)と暮らしています。以前は12年間、葬儀社でプランナーとして働いており、これまでに担当したご葬儀はのべ800件を超えました。

業界に入ったのは、20代後半に父を突然亡くしたことがきっかけです。右も左もわからず葬儀の手配に奔走し、精神的にも経済的にも本当に苦しかった経験があります。「同じ思いをする人を少しでも減らしたい」と思い、業界に飛び込みました。

現場では、日々ご遺族の不安や戸惑いに寄り添いながら、費用や手続き、宗教儀礼やマナーについて数えきれないほど相談を受けてきました。しかし同時に、「情報の格差」によって損をしてしまう人が多い現実も見えてきました。

退職後は、家族との時間を大切にしたくて在宅ワークに切り替え、このブログを立ち上げました。お葬式の基本や費用の仕組み、避けられるトラブル、信頼できるサービスの選び方など、わかりやすく丁寧に発信しています。 終活やお墓のこと、エンディングノートや保険なども少しずつ扱っていきます。

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