こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisuke(けいすけ)です。現在42歳、元葬儀社プランナーとして、これまでに800件以上のご葬儀に携わってきました。
ご葬儀の現場で働いていると、本当にさまざまなご家族や参列者の方とお会いします。皆さん、故人様を想い、最期のお別れの場を大切にしようと一生懸命です。しかし、その想いが少し空回りしてしまい、周囲から「あの人、でしゃばっているな」と思われてしまうのではないかと不安になる方もいらっしゃいます。
今回の記事では、「葬式ででしゃばり」と思われないための心構えと、品格ある振る舞いについて、私の経験をもとに詳しくお話ししていきます。
「でしゃばり」と「頼れる人」の紙一重の境界線
まず、「でしゃばり」とはどういう状態を指すのでしょうか。
ご葬儀は、突然の訃報から準備が始まり、ご遺族は悲しみの中で慣れない手続きや手配に追われます。そこに、親戚や近しい方が「何かできることはないか」と手を差し伸べるのは、とてもありがたいことです。
しかし、その手助けが、いつの間にか「でしゃばり」と受け取られてしまうことがあります。
両者の違いは、「誰のために、何のために動いているか」という心のあり方にあると私は考えています。
- でしゃばりな人:自分の経験や知識をひけらかし、主導権を握ろうとする。「こうすべきだ」「こうするのが普通だ」と自分の意見を押し付け、ご遺族の気持ちや意向よりも、自分の考えを優先してしまう。
- 頼れる人:ご遺族の気持ちに寄り添い、そっと手を差し伸べる。「何かできることはありますか?」「もしよければお手伝いさせてください」と相手の意向を尊重し、求められたことに応じる。
つまり、「でしゃばり」と思われるかどうかは、**「相手への配慮があるか」**が大きなポイントになります。
ご葬儀の主役は、あくまでも故人様と、故人様を想うご遺族です。私たちは、そのご遺族を支え、滞りなく故人様を見送るための「お手伝い」をする立場に過ぎません。この大前提を忘れてしまうと、「でしゃばり」という印象を与えてしまいかねません。
葬式でやってはいけない「でしゃばり」な行動事例
では、具体的にどのような行動が「でしゃばり」と捉えられてしまうのでしょうか。私の経験から、よく見られる事例をいくつかご紹介します。
1. 葬儀の形式や内容に口を出す
ご遺族が「家族葬で静かに見送りたい」と考えているのに、「いや、故人は付き合いが広かったから一般葬にすべきだ」「盛大に送ってあげないと可哀想だ」などと、ご遺族の意向を無視して口出しをするケースです。
ご葬儀の形式は、故人様やご遺族の考え、経済状況によってさまざまです。昔ながらの形式にこだわる方もいれば、宗教儀礼を省いた自由な形で送りたいと考える方もいます。
ここで大切なのは、ご遺族の決定を尊重することです。
ご遺族は、故人様との関係性や、生前の想いを一番よくご存知です。そして、葬儀の準備をする中で、費用面や参列者のことなど、さまざまなことを考慮して決断されています。
良かれと思って言った一言でも、ご遺族にとっては大きなプレッショナルになってしまうことがあります。口を出すのではなく、ただ静かに見守り、寄り添うことが大切です。
2. 勝手に段取りを決めたり、人脈を駆使したりする
これもよくある事例です。
「私の知り合いに良いお寺さんいるから連絡しとくね」「このくらいの人数なら、料理はここの仕出し屋がいいよ」などと、ご遺族に相談もなく、勝手に物事を進めてしまう行為です。
特に、ご親族の中で年齢が上の方や、昔からのしきたりに詳しい方に多い傾向があります。
親切心から出た行動だとしても、ご遺族は「話がどんどん進んでいってしまう」「自分たちの考えを聞いてもらえない」と感じてしまいます。結果として、ご遺族は望んでいなかった内容で葬儀が進んでしまい、後悔が残るお別れになってしまうことも少なくありません。
ご葬儀に関する手配や決定は、すべてご遺族が主導すべきものです。何か提案したい場合は、「もしよければ、私の方から〇〇さんにご相談してみましょうか?」と、あくまでもご遺族の許可を得てから行動するように心がけましょう。
3. 参列者への対応で仕切りすぎる
ご葬儀に参列してくださった方々への対応も、ご遺族にとって大きな負担となります。受付や会場の案内など、お手伝いできることはたくさんあります。
しかし、そのお手伝いの範囲を超えて、ご遺族に代わって挨拶をしたり、参列者との会話を主導したりするのは、行き過ぎた行動と言えるでしょう。
特に、故人様のご友人や会社関係の方など、ご遺族が初めてお会いする方の場合、故人様との思い出話を聞くことで、悲しみが少し癒されることもあります。ご遺族が話したいと思っているのに、代わりに自分が話してしまったり、会話を遮ってしまったりするのは、非常に失礼にあたります。
受付や案内の手伝いは、あくまでも縁の下の力持ちです。目立つ行動は避け、ご遺族をサポートする姿勢を忘れてはいけません。
4. 喪主の気持ちを無視したアドバイスをする
ご葬儀の準備は、本当に大変です。喪主の方は、ご遺族の代表として、精神的にも肉体的にも大きな負担を抱えています。
そんな中、喪主の方に「もっとしっかりしなきゃダメだ」「悲しんでいる暇はない」などと、喪主の気持ちを無視した叱咤激励やアドバイスをするのは、絶対に避けるべきです。
「喪主は泣いてはいけない」というような古い考え方を持っている方もいらっしゃいますが、それは間違いです。大切な人を亡くした悲しみは、人それぞれです。涙を流したい時に我慢させるようなことは、決して良いことではありません。
喪主の方には、「大変でしょうけど、無理しないでね」「辛かったらいつでも頼ってね」と、寄り添う言葉をかけることが大切です。
品格ある振る舞いとは?「でしゃばり」にならないための5つの心構え
では、「でしゃばり」にならず、ご遺族に「あの人がいてくれて助かった」と思ってもらえる、品格ある振る舞いをするにはどうすれば良いのでしょうか。
私が長年、ご葬儀の現場で見てきた中で、特に大切だと感じた5つの心構えをご紹介します。
1. 常に「ご遺族がどうしたいか」を最優先に考える
これが最も大切な心構えです。
ご葬儀は、故人様とご遺族のために行われるものです。自分の意見や価値観は一度脇に置いて、**「ご遺族が何を求めているのか」「今、ご遺族はどのような状況にあるのか」**を敏感に感じ取る努力をしましょう。
何かを手伝う際も、「これ、やっておきましょうか?」と一方的に提案するのではなく、「何かお困りではありませんか?」と、まずご遺族の状況を尋ねることから始めましょう。
2. 求められたことだけを、丁寧に行う
ご遺族から「受付をお願いします」「お茶出しを手伝ってもらえますか」と具体的に頼まれたことは、心を込めて丁寧に行いましょう。
頼まれたこと以上のことを勝手にやろうとすると、かえって混乱を招いてしまうことがあります。例えば、受付を頼まれたのに、急に香典の整理まで始めたり、会計の計算に口出ししたりするのは、ご遺族にとってはありがた迷惑になってしまいます。
頼まれた役割をきちんと果たす。シンプルですが、これが最も信頼される行動です。
3. 無闇に口を出さず、聞き役に徹する
ご葬儀の準備は、ご遺族にとって初めての経験であることがほとんどです。疑問や不安が次から次へと出てくるものです。
そんな時、私たちは専門家である葬儀社のプランナーにお任せすれば安心なのですが、ご親族の方に相談されることもよくあります。
この時、ご自身の経験や知識をひけらかすのではなく、まずはじっくりと相手の話を聞くことを意識しましょう。
「昔はこうだった」「こういうしきたりがある」と自分の意見を語り始める前に、「〇〇さんは、どうしたいと考えていますか?」と、相手の気持ちを汲み取ることが大切です。
もし、ご遺族が具体的な葬儀社選びで悩んでいらっしゃるようでしたら、信頼できる葬儀社を見つけるためのサービスを紹介してあげるのも良いでしょう。
例えば、株式会社エス・エム・エスが運営する【安心葬儀】というサービスがあります。全国7000以上の葬儀社の中から、ご希望の条件に合わせて最適な優良葬儀社を紹介してくれます。東証プライム上場企業が運営しているので、安心して利用できますし、何より相見積もりを取ることで、限られた時間の中でも納得のいく葬儀社を見つけやすくなります。
このような、ご遺族にとって本当に役立つ情報を提供することは、「でしゃばり」ではなく、まさに「頼れる人」の行動と言えるでしょう。
4. 謙虚な姿勢と控えめな態度を心がける
ご葬儀の場では、どのような立場であれ、謙虚な姿勢と控えめな態度を心がけることが大切です。
特に、親族の中でも比較的若い世代の方は、ご年配の方への配慮を忘れてはいけません。
例えば、
- 携帯電話はマナーモードにし、緊急時以外は使用しない。
- 大きな声で話したり、笑ったりしない。
- 故人様を悼む気持ちを一番に考え、静かに過ごす。
このような基本的なマナーを守ることが、品格ある振る舞いにつながります。
もし、服装で悩んでいる方がいらっしゃったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
また、喪服を急に用意する必要が出てきた場合、購入するよりもレンタルサービスを利用するのも一つの手です。
株式会社トレジャー・ファクトリーが運営する【Cariru BLACK FORMAL】は、デザイン・質・マナーにこだわったブラックフォーマルのレンタルサービスです。人気ブランドも多数取り扱っており、ジャケット・ワンピース・バッグ・数珠などのフルセットも豊富なので、突然の訃報でも慌てることなく準備ができます。
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急なご不幸があっても、身だしなみを整えることで、故人様へ敬意を示すことができます。
5. 感情のコントロールを意識する
ご葬儀の場では、さまざまな感情が渦巻きます。悲しみ、不安、時には故人様との思い出が蘇り、笑みがこぼれることもあります。
しかし、感情のままに行動してしまうと、周囲に不快な思いをさせてしまうこともあります。
例えば、泣きわめくご遺族に「落ち着いて!」と大声で注意したり、逆に自分の感情が昂ってしまい、他の親族に八つ当たりをしてしまったり。
ご葬儀は、故人様を偲び、静かに見送る場です。自分の感情をコントロールし、周りの方への配慮を忘れないようにしましょう。
まとめ:大切なのは「想いを尊重すること」
今回の記事では、ご葬儀で「でしゃばり」と思われないための心構えと、品格ある振る舞いについてお話ししました。
- 「でしゃばり」は、自分の意見を押し付け、主導権を握ろうとする人。
- 「頼れる人」は、ご遺族の気持ちに寄り添い、求められたことに応じる人。
両者の違いは、相手への配慮があるかどうかです。
ご葬儀の主役は、あくまでも故人様とご遺族です。私たちは、その大切な儀式を円滑に進めるための「サポーター」であることを忘れてはいけません。
もし、ご葬儀に関して不安なことや疑問がある場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談することが一番です。
また、ご葬儀後の遺品整理も、ご遺族にとっては大きな負担となります。故人様との思い出が詰まった品々を前に、どう手をつければ良いか分からなくなる方も多くいらっしゃいます。
もし、遺品整理でお困りの際は、遺品整理専門の【ライフリセット】のようなサービスを利用することも検討されてはいかがでしょうか。専門のスタッフが丁寧に対応してくれるので、ご遺族の精神的な負担を大きく軽減してくれます。
最後になりますが、お葬式の準備は、ご遺族にとって本当に大変な時間です。しかし、故人様を想い、最期のお別れを後悔なく迎えられるよう、周りの方も温かく見守り、支えていくことが大切です。
このブログが、あなたやあなたの大切なご家族のお別れが、心穏やかなものになる一助となれば幸いです。
これからも、終活やお葬式に関する情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
筆者プロフィール
Keisuke(けいすけ)|元葬儀社プランナーの終活ブログ運営者
こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。現在42歳。地方の中堅都市で、妻と2人の子ども(中2と小5)と暮らしています。
以前は12年間、葬儀社でプランナーとして働いており、これまでに担当したご葬儀はのべ800件を超えました。
業界に入ったのは、20代後半に父を突然亡くしたことがきっかけです。右も左もわからず葬儀の手配に奔走し、精神的にも経済的にも本当に苦しかった経験があります。「同じ思いをする人を少しでも減らしたい」と思い、業界に飛び込みました。
現場では、日々ご遺族の不安や戸惑いに寄り添いながら、費用や手続き、宗教儀礼やマナーについて数えきれないほど相談を受けてきました。しかし同時に、「情報の格差」によって損をしてしまう人が多い現実も見えてきました。
退職後は、家族との時間を大切にしたくて在宅ワークに切り替え、このブログを立ち上げました。お葬式の基本や費用の仕組み、避けられるトラブル、信頼できるサービスの選び方など、わかりやすく丁寧に発信しています。
終活やお墓のこと、エンディングノートや保険なども少しずつ扱っていきます。
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