筆者プロフィール:Keisuke(けいすけ)|元葬儀社プランナーの終活ブログ運営者
こんにちは。「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。
現在42歳、地方都市で妻と2人の子どもと暮らしています。以前は12年間、葬儀社でプランナーとして働いており、これまでに800件以上のご葬儀を担当させていただきました。
20代後半に父を突然亡くし、右も左もわからないまま葬儀の手配に奔走した経験があります。「同じ思いをする人を少しでも減らしたい」という思いから葬儀業界に飛び込み、日々ご遺族の不安や戸惑いに寄り添ってきました。このブログでは、現場で培った知識と経験を活かし、「後悔しないお別れ」のために役立つ情報をわかりやすく発信しています。
はじめに:妊婦さんの体調が最優先です
ご親族やご友人の訃報に際し、ご自身が妊娠中であるという場合、服装だけでなく、参列すること自体に不安を抱かれる方も少なくないでしょう。特に、つわりがひどい時期や、お腹が大きくなって身動きが取りづらい時期では、無理をして参列すべきか悩まれるかもしれません。
結論から申し上げますと、何よりも優先すべきは妊婦さんご自身の体調と、お腹の中の赤ちゃんの安全です。
葬儀の場では、長時間座りっぱなしになったり、立ったり座ったりを繰り返したり、焼香のために並んだり、人混みの中にいたり、と普段よりも体に負担がかかりやすいものです。精神的にも張り詰める場面が多く、知らず知らずのうちに疲労が溜まってしまうこともあります。
もし体調が優れない場合は、無理に参列する必要はありません。ご家族やご親族に事情を説明すれば、きっとご理解いただけるはずです。大切なのは、故人様への想いです。後日、体調が落ち着いたときに改めてご自宅にお線香をあげに伺う、弔電を送る、といった方法で、十分に気持ちは伝わります。
しかし、どうしてもお別れをしたい、というお気持ちがある場合は、ご自身の体調を第一に考えた上で、適切な服装と持ち物で参列に臨むことが大切です。
この記事では、妊婦さんが葬儀に参列する際の服装マナーについて、具体的な着こなしのポイントから、注意すべきことまで、元葬儀社プランナーの視点から詳しく解説していきます。
葬儀における「喪服」の基本的な考え方
妊婦さんの服装について詳しくお話しする前に、まずは葬儀における服装の基本的な考え方について確認しておきましょう。
葬儀の服装は、大きく分けて「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3つがあります。
- 正喪服(せいそうふく):最も格式の高い喪服で、喪主や三親等までの親族が着用するものです。男性はモーニングコート、女性は和装の黒紋付やブラックフォーマルのアンサンブル(ワンピース+ジャケット)などがこれにあたります。
- 準喪服(じゅんそうふく):一般の参列者が着用する最も一般的な喪服です。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルのアンサンブルやワンピースが該当します。
- 略喪服(りゃくそうふく):通夜や三回忌以降の法事などで着用されることが多い、平服(へいふく)と呼ばれるものです。黒、紺、グレーなどの地味な色のスーツやワンピースなどがこれにあたります。
一般的に、ご親族として参列する場合は準喪服を、友人や知人として参列する場合は準喪服か略喪服を着用します。ただし、地域や故人様の意向によっては服装の指定がある場合もありますので、事前に確認しておくと安心です。
さて、妊婦さんの場合、体型の変化が著しいため、普段着用している喪服が着られなくなってしまうことがほとんどです。そのため、マタニティ用の喪服を準備するか、あるいはレンタルサービスなどを利用することになります。
「マタニティウェアなんて、後で着る機会がないのに買うのはもったいない…」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。そういった場合は、喪服のレンタルサービスを利用するのも一つの賢い選択です。
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妊婦さんの服装を選ぶ上での3つの大切なポイント
妊婦さんが葬儀の服装を選ぶ際には、次の3つのポイントを意識すると良いでしょう。
- 締め付けがなく、ゆったりとしたデザインを選ぶ
- 身体を冷やさないように工夫する
- 転倒防止のため、足元に配慮する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイント1:締め付けがなく、ゆったりとしたデザインを選ぶ
妊娠中は、お腹が大きくなるだけでなく、むくみやすくなったり、締め付けられることで気分が悪くなったりすることがあります。そのため、ウエスト部分にゴムが入っていたり、Aラインやエンパイアラインのように、お腹周りにゆとりがあるデザインのワンピースを選ぶのがおすすめです。
また、授乳中の方であれば、前開きになっているものや、授乳口が付いているものを選ぶと、いざという時に便利です。
ポイント2:身体を冷やさないように工夫する
葬儀場は冷暖房が効いていても、長時間同じ場所に座っていると身体が冷えやすくなります。特に妊娠中は、普段よりも冷えに敏感になりがちです。
夏場でも、羽織るものとしてジャケットやカーディガンなどを持参すると良いでしょう。また、ストッキングは黒色で、防寒対策として少し厚手のものを選ぶのも良い方法です。タイツでも構いませんが、弔事の場にふさわしいかどうかの判断は、地域や宗派によって異なりますので、ご心配な場合は事前にご親族に相談すると安心です。
ポイント3:転倒防止のため、足元に配慮する
ヒールのある靴は、転倒のリスクを高めるだけでなく、長時間立っていると足がむくんで辛くなる原因にもなります。
そのため、妊娠中の参列には、ヒールのないぺたんこ靴や、安定感のあるローヒールのパンプスを選ぶようにしましょう。靴の色は黒色で、光沢のないものを選ぶのがマナーです。
【時期別】具体的な妊婦さんの服装コーディネート
ここからは、妊娠初期、中期、後期に分けて、より具体的な服装の例をご紹介します。
妊娠初期(〜4ヶ月頃)
この時期は、まだお腹の膨らみが目立たない方が多いですが、つわりが辛い時期でもあります。
- 服装:普段の喪服が入れば、そちらでも構いません。ただし、締め付けのきついものは避け、ゆったりとしたシルエットのワンピースなどを選ぶと安心です。つわりがひどい場合は、香りで気分が悪くなることがありますので、服装の素材は肌触りが良く、匂いがつきにくいものを選ぶと良いでしょう。
- 小物:靴はヒールのあるものでも構いませんが、もし気分が悪くなりやすい場合は、フラットな靴を準備しておくと安心です。
妊娠中期(5ヶ月〜7ヶ月頃)
お腹の膨らみが目立ち始め、普段の喪服ではきつくなってくる時期です。
- 服装:マタニティ用の喪服を準備するか、レンタルの利用を検討しましょう。締め付けの少ないワンピースや、ウエストにゆとりのあるデザインのものがおすすめです。
- 小物:冷え対策として、羽織れるものを持参しましょう。足元は、安定感のあるローヒールやフラットシューズがおすすめです。
妊娠後期(8ヶ月〜臨月)
お腹がかなり大きくなり、長時間座っているだけでも辛く感じる時期です。
- 服装:お腹を締め付けないよう、マタニティ用の喪服は必須と言えるでしょう。特に、Aラインやエンパイアラインのワンピースは、お腹を締め付けることなく、美しいシルエットを保てます。
- 小物:長時間立ちっぱなしになることを避けるため、椅子に座らせてもらえるよう、事前にご親族に相談しておくと良いでしょう。足元は、転倒防止のためにも、必ずローヒールかフラットシューズを選びましょう。
繰り返しになりますが、この時期は、体調が急変することも少なくありません。無理をせず、参列を見送ることも大切な選択肢の一つであることを忘れないでください。
妊婦さんの服装で避けるべきこと
妊婦さんだからといって、葬儀のマナーから逸脱して良いというわけではありません。以下の点には注意が必要です。
- 派手な色や柄の服装:黒、紺、グレーなどの地味な色を選びましょう。
- 光沢のある素材:弔事には不向きとされています。
- 素足:ストッキングは必ず着用しましょう。
- アクセサリー:結婚指輪以外は、真珠のネックレスやイヤリングなど、派手ではないものを選びましょう。
- 毛皮やアニマル柄:殺生を連想させるため、タブーとされています。
葬儀の準備は、心の準備でもあります
突然の訃報は、誰にとっても心を揺さぶる出来事です。特に妊娠中というデリケートな時期に、大切な方とのお別れに直面された方は、心身ともに大きな負担を感じていることでしょう。
服装のマナーも大切ですが、それ以上に大切なのは、故人様への想いです。そして、その想いを伝えるためには、まずご自身の心と身体を大切にすることが何よりも重要です。
もし、ご家族やご親族の葬儀をこれから執り行うことになり、何から手をつけて良いかわからないと戸惑われている方がいらっしゃいましたら、ぜひ専門の相談窓口をご利用いただくことをお勧めします。
葬儀は人生で何度も経験するものではなく、いざという時に焦ってしまうものです。特に、時間がない中で葬儀社を決めなければならない場合、費用やサービスの品質に不安を感じる方も多いでしょう。東証プライム上場企業のエスエムエスが運営する「安心葬儀」では、全国7000以上の優良な葬儀社から、ご希望の条件に合わせた最適な葬儀社を無料で紹介してくれます。相見積もりサービスを利用することで、納得のいく葬儀社を、時間がない中でも安心して見つけることができます。
妊婦さん向けのその他注意点
最後に、服装以外の注意点もいくつかお伝えしておきます。
1. 芳香剤や香水は避ける
葬儀場はたくさんの人が集まる場所です。香りに敏感になる妊婦さんだけでなく、他の参列者の中にも、香りで気分が悪くなる方がいらっしゃるかもしれません。香水や香りの強い柔軟剤、制汗スプレーなどは使用を避けましょう。
2. 持ち物は最小限に
長時間の参列で疲労を感じやすい妊婦さんにとって、大きな荷物は負担になります。必要最低限のものを小さなバッグにまとめて持っていくのがおすすめです。サブバッグとして、折りたたみのエコバッグなどを持参するのも良いでしょう。
3. 周りの協力を求める
つわりがひどい場合や、気分が優れない場合は、我慢せずに周囲の人に助けを求めましょう。椅子に座らせてもらったり、少し休憩させてもらったり、理解のあるご親族や葬儀社スタッフに声をかけることで、無理なく参列することができます。
妊婦さんの葬儀参列に関する「よくある質問」
Q1. 妊娠中に通夜や葬儀に参列しても良いのでしょうか?
A. はい、マナー上、特に問題はありません。ただし、一番大切なのは妊婦さんご自身の体調です。体調が優れない場合は、無理に参列する必要はありません。
Q2. マタニティ用の喪服がない場合、どうすれば良いですか?
A. 身体を締め付けない、ゆったりとしたデザインの黒いワンピースなどで代用することも可能です。ただし、カジュアルすぎるものは避け、フォーマルな場にふさわしいものを選びましょう。最近では、喪服のレンタルサービスを利用される方も増えています。
Q3. 参列中、気分が悪くなったらどうすれば良いですか?
A. 無理をせず、すぐに葬儀場のスタッフやご親族に声をかけ、横になれる場所や、静かな場所を借りましょう。また、もしもの時に備え、かかりつけ医の連絡先や母子手帳などを持参しておくと安心です。
おわりに
今回は、妊婦さんが葬儀に参列する際の服装マナーについてお話ししました。
人生で何度も経験するものではないからこそ、不安や戸惑いは尽きないものです。特に妊婦さんというデリケートな時期に、大切な方とのお別れに直面された方は、大きな不安を感じていらっしゃることと思います。
この記事が、少しでもその不安を和らげる一助となれば幸いです。
そして、もしご家族の葬儀後、故人様の遺品整理にお困りの方がいらっしゃいましたら、こちらも専門のサービスを利用するのも一つの選択肢です。
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この記事では、妊婦さんの服装に焦点を当てましたが、葬儀に関する情報は多岐にわたります。以下の記事も参考にしてみてください。
大切な方との最後のお別れを、後悔のないように。そして、ご自身の心と身体を大切にしながら、どうかお過ごしください。
【追記】妊婦さんを支えるご家族へ:周りの配慮が何よりも大切です
この記事を読まれている方の中には、ご自身の奥様やお嫁さん、あるいはご友人など、身近な方が妊娠中に葬儀に参列することになり、心配されている方もいらっしゃるかもしれません。
妊婦さんの体調は、日によって、時間によって大きく変化するものです。服装や持ち物の準備はもちろん大切ですが、それ以上に、周りの方々の配慮が何よりも妊婦さんの安心につながります。
1. 参列するかどうかは、本人の意思を尊重する
「みんなが参列するから、無理をしてでも行かなきゃ…」と、妊婦さんがプレッシャーを感じてしまうことがあります。参列するかどうかは、最終的に本人の体調や気持ちを最優先に尊重してあげてください。たとえ参列を見送ることになっても、「故人様もきっと分かってくれるよ」と優しく声をかけてあげることが大切です。
2. 移動や休憩のサポートを
葬儀場までの移動手段や、会場での休憩場所など、事前に確認しておきましょう。会場に着いたら、すぐに座れる場所を確保してあげる、焼香の順番を待つ間も無理をさせないように配慮する、といった細かい気配りが、妊婦さんの負担を大きく軽減します。
3. 葬儀社スタッフに一言伝えておく
会場に着いたら、受付の方や葬儀社のスタッフに「妊娠中の者がおりますので、何かとご配慮いただけますと幸いです」と一言伝えておくと、スタッフの方も何かと気を配ってくれるようになります。
4. 参列後のフォローも忘れずに
葬儀が終わった後も、精神的にも肉体的にも疲労は残るものです。「今日は本当に頑張ってくれたね、ありがとう」と労いの言葉をかけ、ゆっくり休める時間を作ってあげてください。
最後に、今後に向けての「終活」を考える
妊娠中のご自身の体調管理や、ご家族の看病に奔走されている中で、「もしも」のことを考えるのは、なかなか気が進まないかもしれません。
しかし、人生には予期せぬ出来事が起こり得ます。私自身、父を突然亡くし、何も準備ができていなかったために苦労した経験から、皆様には「後悔しないお別れ」のために、少しでも早く準備をしていただきたいと心から願っています。
終活は、死を迎えるための活動ではなく、「人生の終わり」をより良く迎えるための「人生の終わり」を意識しながら、「今」をより良く生きるための活動です。
妊婦さんの場合、これから新しい家族を迎えるにあたり、ご自身の将来やご家族の将来について、改めて考える良い機会にもなるのではないでしょうか。
- エンディングノートの作成:ご自身の意思を記しておくことで、いざという時にご家族の負担を減らすことができます。
- 財産や相続の整理:将来、お子様へ引き継ぐ財産について整理しておくことは、円満な相続につながります。
- 葬儀やお墓の希望:ご自身の希望を家族に伝えておくことで、悔いのないお別れをすることができます。
まとめ
今回は、妊婦さんの葬儀参列という、デリケートなテーマについてお話ししました。
- 何よりも妊婦さんご自身の体調を最優先に:無理は禁物です。
- 締め付けのない、ゆったりとした服装を選ぶ:マタニティ用の喪服や、レンタルサービスを賢く利用しましょう。
- 足元は安定した靴を:転倒防止のためにも、ローヒールやフラットシューズを選びましょう。
- 周りの配慮とサポートが何より大切:ご家族やご親族は、妊婦さんの体調に寄り添い、サポートしてあげてください。
この記事が、大切な方とのお別れに、心穏やかに向き合うための一助となれば幸いです。
今後のあなたへ、心を込めて
これから新しい命を迎えようとしている妊婦さん。そして、そのご家族の皆様。
まずは、お体と心のケアを第一に考えてください。
そして、もし何か葬儀に関する疑問や不安がございましたら、いつでもこのブログを訪れてください。
私が現場で培った知識と経験が、あなたやあなたのご家族の未来を、少しでも安心なものにするお手伝いができれば幸いです。
「後悔しないお別れ」のために、今できる準備を一緒に考えてみませんか?
あなたやご家族の未来が少しでも安心に近づくよう、心を込めてこのブログを運営していきます。