真夏の葬儀、服装は大丈夫? 暑さを乗り切るためのマナーと選び方

雑学

筆者プロフィール:Keisuke(けいすけ)|元葬儀社プランナーの終活ブログ運営者

こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。

現在42歳。地方の中堅都市で、妻と2人の子ども(中2と小5)と暮らしています。以前は12年間、葬儀社でプランナーとして働いており、これまでに担当したご葬儀はのべ800件を超えました。

業界に入ったのは、20代後半に父を突然亡くしたことがきっかけです。右も左もわからず葬儀の手配に奔走し、精神的にも経済的にも本当に苦しかった経験があります。「同じ思いをする人を少しでも減らしたい」と思い、業界に飛び込みました。

現場では、日々ご遺族の不安や戸惑いに寄り添いながら、費用や手続き、宗教儀礼やマナーについて数えきれないほど相談を受けてきました。しかし同時に、「情報の格差」によって損をしてしまう人が多い現実も見えてきました。

退職後は、家族との時間を大切にしたくて在宅ワークに切り替え、このブログを立ち上げました。お葬式の基本や費用の仕組み、避けられるトラブル、信頼できるサービスの選び方など、わかりやすく丁寧に発信しています。

終活やお墓のこと、エンディングノートや保険なども少しずつ扱っていきます。

「後悔しないお別れ」のために、今できる準備を一緒に考えてみませんか?

あなたやご家族の未来が少しでも安心に近づくよう、心を込めて運営しています。


はじめに:夏の葬儀、服装選びの難しさ

真夏の強い日差しの中、突然の訃報に接し、心身ともに疲弊されていることと存じます。故人様との最期のお別れを、滞りなく、そして心穏やかにお過ごしいただくためにも、準備の一つひとつが大切になってきます。その中でも、特に多くの方が悩まれるのが「夏の葬儀の服装」ではないでしょうか。

「夏だからといって、どこまで軽装にしても良いのだろうか?」 「汗だくになってしまうのは避けたいが、マナー違反にならないだろうか?」 「高齢だから、体調を崩さないように着替えたいけれど…」

こうしたお悩みは、私自身が葬儀社で働いていた頃から、本当によく耳にしました。特に、ご高齢の方々からは「暑くて倒れてしまいそうだ」という切実なお声もいただいていました。

夏の葬儀は、暑さ対策とマナーの両立が求められるため、冬場とは異なる難しさがあります。しかし、ご安心ください。この記事では、夏の葬儀における服装の基本マナーから、暑さを和らげるための具体的な工夫、そして年代別の注意点まで、私が現場で見てきた経験をもとに、わかりやすく解説していきます。

故人様への敬意を払いながら、ご自身の体調も守る。その両方を叶えるためのヒントを、ぜひ見つけていただければ幸いです。


1. 服装の基本マナーをおさらい

まずは、夏の葬儀であろうとなかろうと、守るべき服装の基本マナーを再確認しておきましょう。

喪服の種類

葬儀で着用する服装には、大きく分けて3つの種類があります。

  • 正喪服(せいもふく): 葬儀の主催者である喪主やそのご家族が着用する、最も格式の高い喪服です。男性はモーニングコート、女性は和装の黒紋付や、襟元の詰まった格式高いブラックフォーマルスーツなどがこれにあたります。
  • 準喪服(じゅんもふく): 一般の参列者が着用する最も一般的な喪服です。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルスーツやアンサンブルがこれにあたります。夏の葬儀であっても、準喪服が基本となります。
  • 略喪服(りゃくもふく): 平服と呼ばれ、急な弔問や三回忌以降の法要などで着用します。ダークグレーや濃紺のスーツなど、地味な色合いの服装です。

夏の葬儀の場合も、参列者であれば基本は準喪服を着用します。ただし、地域や故人様の意向によっては「平服でお越しください」と案内されることもあります。その場合は、略喪服を着用するのがマナーです。


2. 男性編:夏の葬儀の服装と暑さ対策

男性の場合、夏の葬儀での服装は「ブラックスーツ」が基本です。しかし、真夏にジャケットを着用するのは非常に暑く、体調を崩してしまう心配もあるでしょう。そこで、暑さ対策とマナーの両立について解説します。

1. ブラックスーツの選び方

  • 素材: 通気性の良いサマーウールや、吸湿速乾性に優れたポリエステル混紡素材などがおすすめです。冬用の重い生地ではなく、夏用の軽い生地のスーツを選ぶことで、体感温度を大きく下げることができます。
  • 色: ブラックスーツが基本ですが、漆黒に近い深い黒を選ぶことで、より格式高く見えます。

2. 暑さ対策の工夫

  • ジャケットは通夜・告別式でのみ着用: 参列者として、通夜や告別式の式典中はジャケットを着用するのがマナーです。しかし、斎場の移動中や待機中、屋外での見送りなど、状況に応じて脱いでも問題ありません。ただし、上着を脱ぐ際は、周囲の方への配慮を忘れずに、軽く一言添えるなどしましょう。
  • ワイシャツ: 白無地のワイシャツは、長袖が基本です。クールビズなどで半袖のワイシャツを着ていく方もいますが、正式な場では長袖がマナーとされています。式場に着くまでは半袖を着用し、式場で着替えるという方法も良いでしょう。
  • ネクタイ: 黒無地のネクタイが基本です。ネクタイピンは光るものは避け、つける場合はシンプルなものを選びましょう。
  • 靴下: 黒無地が基本です。短い靴下は避け、座った時に肌が見えないよう、長めのものを選びましょう。
  • 靴: 黒無地の革靴が基本です。金具のついたものや、派手なデザインのものは避けましょう。

3. 女性編:夏の葬儀の服装と暑さ対策

女性の場合、準喪服は「ブラックフォーマル」と呼ばれる、黒いワンピースやアンサンブル、スーツなどが基本です。男性同様、暑さ対策とマナーを両立させることが重要です。

1. ブラックフォーマルの選び方

  • 素材: サマーウールや、薄手のポリエステルなどがおすすめです。最近では、通気性や吸汗性に優れた機能性素材を使用した夏用のブラックフォーマルも多く販売されています。
  • デザイン: 袖は長袖、または七分袖が基本です。ノースリーブのワンピースの場合は、必ずジャケットやボレロなどを羽織り、肩や腕の露出を控えるのがマナーです。スカート丈は、膝が隠れる程度のものが望ましいでしょう。

2. 暑さ対策の工夫

  • ジャケットは状況に応じて: 男性と同様、通夜や告別式ではジャケットを着用するのが基本です。しかし、移動中や待機中など、暑さが厳しい場合は、ジャケットを脱いでも問題ありません。
  • ストッキング: 肌の露出を避けるため、夏でも黒のストッキングを着用するのがマナーです。薄手のタイプや、接触冷感素材など、夏用のものを選ぶと良いでしょう。
  • 小物類: バッグ、靴は黒無地のものを選び、金具や光沢のあるものは避けましょう。パールの一連ネックレスや、一粒のイヤリングはつけても良いとされています。

喪服の準備、どうしていますか?

突然の訃報に備えて、いつも手元に喪服を準備しておくことは、なかなか難しいものです。特に、体型の変化や、久しぶりに着てみたらデザインが古く感じられた、という方もいらっしゃるでしょう。

そんな時は、喪服のレンタルサービスを利用するのも一つの賢い選択です。必要な時に、最新のデザインや質の高いブランドの喪服を、手頃な価格で借りることができます。特に、真夏用の素材やデザインにこだわったものを選べるのは嬉しい点です。

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4. 高齢の方のための夏の葬儀の服装と体調管理

ご高齢の方にとって、真夏の葬儀は体調に大きな負担がかかります。故人様とのお別れも大切ですが、ご自身の体を第一に考えることが最も重要です。

1. 暑さ対策を最優先に

  • 無理のない服装: 暑さに弱い方や、体調に不安がある方は、無理をして準喪服にこだわる必要はありません。略喪服として、黒や濃紺、グレーなどの地味な色合いの、通気性の良いワンピースやブラウスにスカート、パンツなどを組み合わせるのも良いでしょう。
  • ジャケットの着用は必須ではない: 参列者として、式典中にジャケットを脱いでいても、マナー違反と見なされることはほとんどありません。特に、ご高齢の方の体調を考慮し、周囲も理解を示してくれるはずです。
  • 保冷剤や扇子を活用: 服の内側に保冷剤を忍ばせたり、扇子やうちわでこまめに体を冷やしたりするのも効果的です。周りの目を気にする必要はありません。

2. 体調管理も忘れずに

  • 水分補給: 葬儀中は、なかなか水分補給ができないこともあります。式の前や、休憩時間にはこまめに水分を摂るように心がけましょう。
  • 無理をしない: 葬儀の間、ずっと椅子に座っているのがつらい場合は、遠慮なくスタッフに相談しましょう。控室で休ませてもらうことも可能です。

5. 子どもの夏の葬儀の服装

お子様が参列する場合も、大人の服装に準じた配慮が必要です。

  • 幼稚園・小学生: 制服がある場合は制服を着用します。制服がない場合は、白のシャツやブラウスに、黒、紺、グレーのズボンやスカートを合わせましょう。靴下は白か黒、靴は黒のシンプルなものが良いでしょう。
  • 中高生: 学校の制服が正式な喪服とされています。

子どもの場合は、大人よりも汗をかきやすいので、替えのシャツやインナーを用意しておくと安心です。


6. 葬儀の準備、もしもの時に慌てないために

真夏の葬儀における服装について解説してきましたが、葬儀は服装以外にも、やるべきことがたくさんあります。突然のことで、頭が真っ白になってしまい、何をどう進めていけば良いのか分からなくなる方も少なくありません。

私自身、父を亡くした時、まさにそうでした。右も左も分からないまま、限られた時間の中で葬儀社を選び、形式ばった手続きに追われ、心身ともに疲れ果ててしまいました。今思えば、もう少し落ち着いて、じっくりと考える時間があれば、もっと後悔のないお別れができたのではないかと感じています。

葬儀は、人生で何度も経験するものではありません。 そのため、個人の知識が少ないのは当然です。ましてや、大切な方を亡くされた直後は、冷静な判断が難しいものです。

そんな時こそ、信頼できる情報やサービスに頼ることが、後悔のないお別れへとつながります。もしもの時に慌てないためにも、事前にいくつかの葬儀社を比較検討しておくことは非常に大切です。

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7. 葬儀後の手続き・遺品整理について

葬儀を終え、ほっと一息つく間もなく、今度は葬儀後の様々な手続きが待っています。役所への届け出や相続手続き、遺品整理など、故人様が残されたものの整理は、ご遺族にとって大きな負担となります。

特に、遺品整理は体力も気力も使う大変な作業です。思い出の品を一つひとつ手に取り、故人様との思い出をたどる時間も大切ですが、物理的な作業は非常に労力がかかります。

ご自身で全てをこなすのが難しい場合は、専門の業者に依頼することも検討してみましょう。遺品整理専門【ライフリセット】は、故人様がお部屋に残した遺品や不要物の整理を専門に行っています。ご遺族の心に寄り添いながら、丁寧な作業でサポートしてくれるはずです。

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8. 香典返しについて

葬儀が無事に終わり、香典をいただいた方々へのお礼として香典返しを贈るのが一般的です。香典返しは、いただいた金額の半額程度の品物を贈るのが基本ですが、品物の選び方や贈り方にもマナーがあります。

「【元葬儀社プランナーが解説】葬式後の香典返し|失礼のない贈り方・選び方ガイド」の記事でも詳しく解説していますが、香典返しは、消えもの(食べてなくなるもの)や、日常的に使える実用品を選ぶのが一般的です。

シャディ株式会社が運営するギフト専門店【シャディギフトモール】は、香典返しをはじめ、さまざまな用途に対応できるギフトを豊富に取り揃えています。のし紙やメッセージカードも無料で用意されているので、失礼なく香典返しを贈ることができるでしょう。

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9. まとめ:夏の葬儀を乗り切るための心構え

夏の葬儀は、暑さとの戦いでもあります。

  • 服装は基本マナーを抑えつつ、暑さ対策を優先する
  • 無理をせず、体調を第一に考える
  • 困った時は、周囲の人や専門のサービスに頼る

この記事が、夏の葬儀に臨む皆様の不安を少しでも和らげることができれば幸いです。故人様との最後の時間を、心穏やかにお過ごしください。

そして、お葬式の流れやマナーについて、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

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