筆者プロフィール:Keisuke(けいすけ)|元葬儀社プランナーの終活ブログ運営者
こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。
現在42歳。地方の中堅都市で、妻と2人の子ども(中2と小5)と暮らしています。以前は12年間、葬儀社でプランナーとして働いており、これまでに担当したご葬儀はのべ800件を超えました。
業界に入ったのは、20代後半に父を突然亡くしたことがきっかけです。右も左もわからず葬儀の手配に奔走し、精神的にも経済的にも本当に苦しかった経験があります。「同じ思いをする人を少しでも減らしたい」と思い、業界に飛び込みました。
現場では、日々ご遺族の不安や戸惑いに寄り添いながら、費用や手続き、宗教儀礼やマナーについて数えきれないほど相談を受けてきました。しかし同時に、「情報の格差」によって損をしてしまう人が多い現実も見えてきました。
退職後は、家族との時間を大切にしたくて在宅ワークに切り替え、このブログを立ち上げました。お葬式の基本や費用の仕組み、避けられるトラブル、信頼できるサービスの選び方など、わかりやすく丁寧に発信しています。
終活やお墓のこと、エンディングノートや保険なども少しずつ扱っていきます。
「後悔しないお別れ」のために、今できる準備を一緒に考えてみませんか?
あなたやご家族の未来が少しでも安心に近づくよう、心を込めて運営しています。
突然の訃報に戸惑う「お葬式の服装」
ある日突然、電話が鳴り響きます。「〇〇さんが亡くなられました…」。
大切な人の訃報は、いつ、どのように届くかわかりません。
訃報を受け、頭が真っ白になりながらも、ご遺族への弔意を示すために「通夜」や「葬儀・告別式」へ参列しなければなりません。しかし、悲しみに暮れる間もなく、私たちは慌ただしく準備を進めなければならないのです。
その中でも、特に多くの方が悩まれるのが「服装」ではないでしょうか。
特に若い方や、これまで参列経験が少ない方の中には、「通夜なら平服でもいいって聞いたけど、どこまでがOKなんだろう?」「リクルートスーツは着ていっても大丈夫?」と迷う方も多いはずです。
お葬式は、故人様への最後の挨拶の場であり、ご遺族に寄り添うための大切な儀式です。そのため、服装は故人様やご遺族への敬意を表すための重要なマナーとなります。
このブログでは、元葬儀社プランナーとして数多くの葬儀に立ち会ってきた私が、お葬式の服装について、大人が知っておきたいマナーの基本を、具体例を交えながらわかりやすく解説していきます。
故人様との最期のお別れを、心穏やかに迎えられるよう、ぜひ最後までお読みください。
お葬式の服装は「喪服」が基本
まず大前提として、お葬式の服装は「喪服」が基本となります。
喪服と聞くと、男性の黒いスーツや、女性のワンピースを想像される方が多いでしょう。しかし、喪服にはいくつか種類があり、故人様との関係性や、参列する立場によって着るべきものが変わってきます。
具体的には、以下の3つの種類に分けられます。
- 正喪服(せいもふく):最も格式の高い喪服です。喪主やご遺族など、主催する側が着用します。男性はモーニングコート、女性は和装(黒無地の五つ紋付き)やブラックフォーマルスーツなどがこれにあたります。
- 準喪服(じゅんもふく):一般の参列者が着用する最も一般的な喪服です。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルと呼ばれるワンピースやアンサンブルがこれにあたります。
- 略喪服(りゃくもふく):平服とも呼ばれる、少し格式を落とした服装です。三回忌以降の法事や、身内だけの小規模な葬儀などで着用されます。男性はダークスーツ、女性は地味な色のアンサンブルやワンピースなどがこれにあたります。
リクルートスーツは喪服ではない!なぜNGなのか
さて、本題の「リクルートスーツ」についてです。
結論から申し上げますと、リクルートスーツはお葬式には適しません。
「黒いスーツだから大丈夫だろう」と思われるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
なぜリクルートスーツがNGなのか、その理由を3つお伝えします。
1. 「格式」が違う
先ほどもお伝えしたように、お葬式には「喪服」という、弔事専用の服装があります。
一方で、リクルートスーツは「就職活動」という、慶事でも弔事でもない、ビジネスの場を想定して作られた服装です。
素材やデザインも、就活生がフレッシュで清潔感のある印象を与えるようにつくられており、喪服とは全く異なる目的をもっています。
お葬式という厳粛な場に、就職活動という場にふさわしい服装で参列することは、故人様やご遺族に対して失礼にあたると考えられます。
2. 「素材」と「色」が違う
一見すると、リクルートスーツも喪服も同じ「黒」に見えるかもしれません。
しかし、この「黒」が全く違うのです。
喪服の黒は、「漆黒(しっこく)」や「ジェットブラック」と呼ばれる、光沢のない、深く濃い黒色です。これは、悲しみを表すとともに、故人様への敬意を最大限に示すための色とされています。
一方で、リクルートスーツの黒は、ビジネスシーンで着用されることを想定しているため、喪服ほどの深い黒ではなく、若干光沢があったり、グレーがかったりしているものがほとんどです。
ちょっと一息:ご遺族の心に寄り添うということ
私が葬儀社で働いていた頃、参列者の方の服装について、ご遺族から質問をいただくことがよくありました。
「あの人はなんであんな派手な格好で来ているんだろう…」「黒いスーツだけど、なんか違う気がする…」。
ご遺族は、大切な人を亡くしたばかりで、心も身体も疲れ果てています。
そんな中で、参列者の服装がマナーに沿っていなかったり、場にそぐわないものだったりすると、さらに精神的な負担をかけてしまうことがあります。
服装は、ご遺族に「あなたの悲しみを共有し、寄り添います」という無言のメッセージを伝える大切な手段です。
3. 「デザイン」が違う
喪服とリクルートスーツは、デザインも異なります。
リクルートスーツは、機能性を重視したシンプルなデザインが特徴です。
対して、喪服は、弔事のマナーに沿って、装飾を極力排除し、控えめで上品なデザインが基本となります。
例えば、喪服のスカート丈は膝が隠れるもの、ワンピースの襟元は詰まっているものが一般的です。これは、故人様やご遺族に不快感を与えないための配慮です。
リクルートスーツの中には、スカート丈が短かったり、襟元が大きく開いているデザインのものもあります。このような服装は、お葬式にはふさわしくありません。
葬儀・通夜での正しい服装マナー|男性編
では、お葬式でどのような服装をすれば良いのでしょうか。
ここでは、性別・立場別に正しい服装マナーを解説します。
一般的な参列者(男性)
一般的な参列者の男性は、準喪服を着用します。
- スーツ:ブラックスーツ(シングルまたはダブル)が基本です。光沢のない、濃い黒色のものを選びましょう。
- シャツ:白無地のワイシャツを着ます。ボタンダウンシャツや柄物、色物は避けましょう。
- ネクタイ:黒無地のネクタイを締めます。ネクタイピンはつけません。
- 靴下:黒無地の靴下を履きます。
- 靴:黒無地の革靴を選びます。金具のついていない、シンプルなデザインのものが良いでしょう。
- コート:冬場は、黒・グレー・紺などの地味な色のコートを着用します。毛皮や派手な装飾のあるものは避けましょう。
葬儀・通夜での正しい服装マナー|女性編
一般的な参列者(女性)
一般的な参列者の女性は、準喪服を着用します。
- スーツ・ワンピース:ブラックフォーマルと呼ばれる、黒色のワンピースやアンサンブルが基本です。スカート丈は、膝が隠れる程度のものを選びましょう。
- インナー:白や黒の無地のブラウスなどを着用します。
- ストッキング:黒無地のストッキングを着用します。柄物や網タイツは避けましょう。
- 靴:黒のパンプスを選びます。ヒールの高さは3〜5cm程度が理想です。サンダルやミュールは避けましょう。
- バッグ:黒無地の布製ハンドバッグを選びます。光沢のあるものや、金具が多くついているものは避けましょう。
- アクセサリー:結婚指輪以外は、基本的に着けません。つける場合は、一連の真珠のネックレスや、真珠のイヤリング・ピアスが良いでしょう。二連のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため、避けるのがマナーです。
「喪服を持っていない…」「サイズが合わない…」
「突然のことで、買いに行く時間がない…」
このようなお悩みを持つ方もいらっしゃるかもしれません。特に若い方や、これまで喪服を着る機会がなかった方、体型が変わってしまった方にとって、喪服の準備は切実な問題です。
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いざという時のために、選択肢の一つとして覚えておくと良いでしょう。
子ども・学生の服装マナー
ここでは、お子様や学生さんの服装マナーについて解説します。
小さなお子様
黒やグレー、紺など、地味な色の服を選びます。
制服があれば制服を着用するのが最も良いでしょう。
小学生・中学生・高校生
学校の制服があれば、制服を着用するのが最もふさわしい服装です。
制服がない場合は、黒や紺などの地味な色の服を着ます。
終活という名の「人生の準備」
ここまで、お葬式での服装について解説してきました。
服装は、故人様への敬意とご遺族への配慮を示すための大切なマナーです。
しかし、お葬式の準備は服装だけではありません。
- もしもの時に備えて、どんなお葬式にしたいか、どこでやりたいか
- お葬式の費用はどれくらいかかるのか
- どの葬儀社に依頼すれば良いのか
Keisukeの独り言
私の父は、私が20代後半の時に突然亡くなりました。
その時、私はお葬式の「お」の字も知らない状態で、何もかもが手探りでした。
葬儀社との打ち合わせ、費用の交渉、親戚への連絡、そして何より、父の死を受け止めること…
精神的にも経済的にも、本当に苦しい経験でした。
あの時、もし事前に少しでも知識があれば、父の最期をもっと穏やかな気持ちで見送れたのではないかと、今でも思うことがあります。
お葬式は、人生で何度も経験するものではありません。
だからこそ、知らないことが多く、戸惑いや不安を感じるのは当然のことです。
しかし、突然の訃報に慌てて、不本意な形で故人様とのお別れを迎えてしまうのは、あまりにも悲しいことです。
「終活」とは、人生の最期を穏やかに迎えるための準備のこと。
「終活」と聞くと、「縁起でもない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、終活は決して「死」を意識することではなく、これからの人生をより良く、より豊かにするための「人生の準備」です。
終活を通じて、お葬式の知識や費用、葬儀社の選び方などを知っておけば、もしもの時に慌てることなく、心穏やかに故人様とのお別れを迎えられます。
それは、残されたご家族にとっても、何よりの安心となるはずです。
もし、お葬式について「どこから手をつけていいかわからない」と悩んでいらっしゃる方がいれば、まずは信頼できる情報収集から始めてみませんか?
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葬式後のこと|遺品整理や香典返し
お葬式が終わったら、すべてが終わりではありません。
お葬式後にも、さまざまな手続きや準備が待っています。
- 故人様が残された物の整理
- お香典をいただいた方へのお礼
ここでは、お葬式後の大切な準備について解説します。
遺品整理
故人様がお部屋に残された遺品や、不要物の整理は、ご遺族にとって大きな負担となることがあります。
ご遺族だけで全てを整理するのは大変な労力が必要ですし、何から手をつけて良いかわからない、という方も多いでしょう。
そんな時は、遺品整理の専門業者に依頼するのも一つの方法です。
遺品整理専門の【ライフリセット】は、故人様の想いを大切にしながら、遺品や不要物の整理を丁寧にサポートしてくれます。
ご遺族の負担を軽減し、心穏やかに故人様を偲ぶ時間をつくるためにも、専門のサービスを検討してみるのも良いかもしれません。
香典返し
お香典をいただいた方には、感謝の気持ちを込めて「香典返し」を贈ります。
香典返しは、忌明けの法要後、一般的にはお礼状を添えて贈るのがマナーです。
香典返しを贈る時期や相場、品物の選び方など、戸惑うことも多いかもしれません。
【保存版】葬式後の香典返し|失礼のない贈り方・選び方ガイド
こちらの記事も、ぜひ参考にしてみてください。
香典返しは、相手に失礼のないように、マナーに沿った品物を選ぶことが大切です。
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香典返しにふさわしいカタログギフトや、タオル、お菓子など、様々な用途に対応できる商品が1万点以上揃っています。
のし紙やメッセージカードも無料で付けられるので、マナーに沿った形で感謝の気持ちを伝えられます。
まとめ|後悔しないお別れのために
今回は、お葬式における服装マナーを中心に、お葬式の準備や、お葬式後のことについてもお伝えしました。
お葬式は、突然やってくることがほとんどです。
だからこそ、事前に少しでも知識を持っておくことが、いざという時の大きな助けとなります。
「終活は、残される家族への最大の愛情表現」
これは、私が葬儀社で働いていた頃、あるご遺族から聞いた言葉です。
事前に準備をしておくことで、故人様は安らかに旅立てますし、残されたご家族は、心穏やかに故人様との最期のお別れを迎えることができます。
このブログが、あなたやご家族の「後悔しないお別れ」のための、ささやかな一助となれば幸いです。
これからも、お葬式や終活に関する情報を、わかりやすく丁寧にお伝えしていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事では、さらに詳しい服装マナーや小物について解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
「葬式の流れってどうなっているの?」という疑問をお持ちの方は、こちらの記事がおすすめです。