はじめに:大切な人を想う心は、足元から
こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。
私は以前、葬儀社でプランナーとして12年間働いており、800件以上のご葬儀に携わってきました。その中で、ご遺族の方々が抱えるさまざまな不安や戸惑いに寄り添う日々でした。大切な方を亡くされた悲しみの中で、慣れない準備やマナーについて悩まれるお気持ちは、痛いほどよくわかります。私自身も、20代後半で父を突然亡くし、何もかもわからず途方に暮れた経験があるからです。
特に、ご葬儀での服装や身だしなみについては、「これで本当に大丈夫かしら?」と心配される方がとても多い印象です。
「喪服は持っているけれど、靴はどんなものがいいのかしら?」 「急なことで、手持ちの靴で対応してもいいものだろうか?」 「歳を重ねて、ヒールの高い靴は辛くなってきたけれど、失礼にあたらないだろうか?」
このような疑問やお悩みは、決して珍しいことではありません。ご葬儀という厳粛な場では、故人様やご遺族に失礼のないように、というお気持ちから、いつも以上に慎重になるのは当然のことです。
しかし、葬儀の準備は時間との戦いでもあります。ご逝去後、数時間以内に葬儀社を決める必要に迫られることも珍しくありません。
葬儀の靴選びで最も大切なこと
まず、お伝えしたい最も重要なことは、葬儀の靴選びは、単なるファッションの問題ではないということです。故人様への敬意と、ご遺族への配慮を示すための大切なマナーです。
「マナー」と聞くと、少し堅苦しく感じられるかもしれません。しかし、その根底にあるのは「相手を想う心」に他なりません。葬儀の場では、華美な装飾品や派手な色柄は避け、静かに故人様を偲ぶ姿勢が求められます。これは、服装全体に言えることですが、足元も例外ではありません。
では、具体的にどのような点に気をつければよいのでしょうか?
1. 色は「黒」が大原則
これは最も基本的なルールです。靴はもちろん、ストッキングや靴下も黒で統一するのがマナーです。黒以外の色、例えば茶色や紺色、ましてや白や明るい色は避けましょう。
2. 素材は「布製」または「本革」
靴の素材にも注意が必要です。最もフォーマルとされるのは、布製のパンプスです。光沢のない布製は、静かで落ち着いた印象を与えます。
次に一般的なのが本革です。光沢が強すぎるエナメル素材は避けた方が無難です。また、動物の殺生を連想させるアニマル柄や爬虫類の革(クロコダイルやパイソンなど)も、不祝儀の場ではふさわしくありません。
3. デザインは「シンプルな無地」
装飾のないシンプルなデザインを選びましょう。金具やリボン、スタッズなどの装飾は、たとえ黒であっても避けるべきです。また、オープントゥやサンダルのような、つま先やかかとが出るデザインはNGです。つま先が隠れる「パンプス」が基本となります。
種類別に解説:葬式で履くべき靴と避けるべき靴
ここからは、具体的な靴の種類ごとに、葬儀にふさわしいかどうかを詳しく見ていきましょう。
【OK】葬式で履ける靴
- ブラックフォーマルパンプス 最も安心で間違いのない選択です。デザイン、素材ともに葬儀向けに作られているため、迷ったらこれを選んでおけば間違いありません。ヒールの高さは3~5cm程度が一般的ですが、最近は年齢や健康状態に合わせて、低めのヒールやフラットなものも増えています。
- シンプルな黒のパンプス(布製または本革) お手持ちのパンプスが、先ほど挙げた「黒色・無地・シンプルなデザイン」の条件を満たしていれば、代用可能です。ただし、普段使いしているものは、靴底が擦り減っていたり、傷がついていたりしないか、事前に確認しておきましょう。
【NG】葬式で避けるべき靴
- エナメル素材の靴 強い光沢は華やかさを連想させるため、弔事にはふさわしくありません。
- スエード素材の靴 カジュアルな印象が強く、フォーマルな場には不向きです。
- オープントゥ、サンダル 肌の露出はマナー違反とされています。つま先やかかとが出るデザインは厳禁です。
- ブーツ カジュアルな印象が強く、また、脱ぎ履きに時間がかかるため、葬儀には不適切です。
- スニーカー、ウォーキングシューズ どんなに黒色で地味なものであっても、カジュアルなアイテムです。葬儀という厳粛な場にはふさわしくありません。
- アニマル柄、爬虫類革の靴 殺生を連想させるため、絶対に避けましょう。
【年齢別・立場別】女性の靴選びのポイント
葬儀での靴選びは、ご自身の年齢や立場によっても、少し配慮すべきポイントが変わってきます。
1. 高齢の方、足腰に不安のある方
ご高齢になると、ヒールの高い靴は転倒の危険性もあり、長時間立っているのが辛いと感じる方もいらっしゃいますよね。そのような場合は、無理をして高いヒールのパンプスを履く必要はありません。
大切なのは、故人様を悼む気持ちです。ご自身の安全と体調を第一に考えましょう。
- 安定感のある太めのヒール
- ヒールが低めのもの(3cm以下)
- クッション性のあるもの
最近では、このような配慮がされた、シンプルで上品なデザインのブラックフォーマルパンプスが豊富に販売されています。ご無理のない範囲で、ご自身の足に合う靴を選んでくださいね。
2. 親族として参列する場合
親族として参列する場合、参列者の方々をお迎えする立場になります。より一層、マナーに沿った服装を心がけることが大切です。
特に、葬儀社や寺院とのやり取り、参列者の対応などで、立ちっぱなしになる時間が長くなることも予想されます。見た目の美しさだけでなく、履きやすさと歩きやすさも重要なポイントです。
- 足にフィットするもの
- 履き慣れたもの、または事前に試し履きをしておく
- 控えめなデザインのもの
親族として恥ずかしくない、落ち着いた印象の靴を選びましょう。
3. 友人・知人として参列する場合
友人や知人の立場であれば、親族ほど厳密なマナーを求められることは少ないですが、それでも基本のルールは守るべきです。
- ブラックフォーマルパンプスか、シンプルな黒のパンプスで十分です。
- 派手な装飾がないか、念のため確認しましょう。
- ストッキングは黒の無地を着用してください。
葬儀で靴を「失敗しない」ための具体的な対策
急なことで、適切な靴が見つからない…そんな時、どうすれば良いのでしょうか?
対策1:喪服と合わせて「レンタル」する
最近では、喪服だけでなく、靴やバッグなどの小物まで一式レンタルできるサービスがあります。特に急な訃報で準備する時間がない、またはあまり頻繁に使うものではないから新しく購入するのは…とお考えの方には非常に便利なサービスです。
質の良いものをリーズナブルな価格で借りられるのが魅力です。
たとえば、「Cariru BLACK FORMAL」というレンタルサービスは、上質なブラックフォーマルウェアを、靴やバッグ、アクセサリーなどの小物とセットで借りることができます。弔事のマナーに沿って厳選された商品なので、安心して利用できますし、必要な時に必要なものが全て揃うのは心強いですよね。
Cariru BLACK FORMALでは、ネットで簡単に申し込みができ、最短で翌日午前中には届けてくれます。また、クリーニング不要で返却できるのも嬉しいポイントです。
このサービスを利用すれば、「急なことで靴が見つからない」「サイズやデザインが合わなくなってしまった」といったお悩みを解決することができます。
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対策2:普段から一足準備しておく
ご葬儀は突然やってくるものです。いざという時に慌てないよう、普段から一足、葬儀用の靴を準備しておくことをお勧めします。
- シンプルな黒のパンプス
- ヒールは3~5cm程度
- 無地の布製または本革
これを一足持っておくだけで、いざという時に心にゆとりが生まれます。
対策3:葬儀社に相談する
もし、どうしても適切な靴が見つからない場合は、葬儀社に相談してみるのも一つの手です。
葬儀社によっては、遺族や参列者向けに、靴やストッキングなどの小物を販売、または貸し出ししているところもあります。
葬儀で「靴以外」に気をつけたい女性の身だしなみ
靴選びも大切ですが、それ以外の身だしなみも、故人様への敬意を示す上で非常に重要です。
ストッキング
色は黒の無地が基本です。肌が透けるくらいの薄手(20~30デニール)が一般的ですが、冬場など寒い時期には60デニール程度のものでも問題ありません。
しかし、タイツのような厚手のものはカジュアルな印象を与えるため、避けるべきだという意見もあります。地域やご親族の考え方によっても異なるため、迷う場合は薄手のものを着用するのが無難です。
バッグ
靴と同じく、黒の布製が最も格式が高いとされています。本革でも構いませんが、光沢のないシンプルなデザインを選びましょう。
- 金具や装飾は控えめに
- 小さめのハンドバッグが基本
- 殺生を連想させるアニマル柄はNG
荷物が多い場合は、サブバッグとして黒の布製トートバッグなどを用意すると良いでしょう。
アクセサリー
結婚指輪以外のアクセサリーは、基本的にはつけないのがマナーです。ただし、一連の真珠のネックレスやイヤリングは例外的に許容されています。
- 真珠は「涙」を連想させることから、弔事の場で唯一認められている宝石です。
- 二連、三連のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため、避けるべきとされています。必ず一連のものを選びましょう。
葬儀の流れと心構え:足元を整え、心を込めてお見送り
ご葬儀の服装や身だしなみは、故人様を偲び、ご遺族に寄り添うための大切な準備です。しかし、それ以上に大切なのは、故人様を想う心そのものに他なりません。
葬儀の流れ
ご逝去から葬儀までの流れは、非常に慌ただしいものです。
- ご逝去:まず、病院や施設からご遺体を搬送します。
- 葬儀社への連絡:この段階で、慌ただしくも葬儀社を選ばなければなりません。この時、冷静な判断が求められます。しかし、悲しみの中で、複数の葬儀社の比較検討は、精神的にも時間的にも難しいものです。もし、まだ葬儀社を決めていない、または良い葬儀社が見つからないとお悩みでしたら、「安心葬儀」というサービスをご紹介させてください。「安心葬儀」は、全国7,000以上の優良葬儀社の中から、ご希望の条件に合わせて最適な葬儀社を紹介してくれるサービスです。東証プライム上場企業のエスエムエスが運営しており、複数の葬儀社から相見積もりを取ることで、費用やサービス内容を比較検討することができます。突然の訃報で、時間がない中でも、信頼できる葬儀社を見つけるための大きな手助けとなるでしょう。
- ご遺体の安置:自宅や安置施設に故人様を安置します。
- 打ち合わせ:葬儀社の担当者と、葬儀の日程や形式、費用について細かく話し合います。
- 通夜・葬儀・告別式:通夜は夜に行われ、翌日に葬儀・告別式、そして火葬へと進みます。
葬儀を終えた後、心を整理するための時間
ご葬儀は、故人様とのお別れであると同時に、残されたご遺族が新たな一歩を踏み出すための大切な儀式でもあります。
葬儀を無事に終えられた後も、やるべきことはたくさんあります。
- 香典返し ご香典をくださった方へのお礼です。いただいた金額の半額から3分の1程度が目安とされています。何を選べば良いか迷いますよね。もしお困りでしたら、シャディ株式会社の「シャディギフトモール」というサービスが便利です。1926年創業のギフト専門店の公式オンラインショップで、香典返しにふさわしい商品を豊富に取り揃えています。カタログギフトなども選べるので、相手の好みがわからない場合でも安心です。無料でのし紙やメッセージカードもつけてくれるので、贈り主の気持ちを丁寧に伝えることができます。
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- 遺品整理 故人様が残された品々を整理する作業です。思い出の品を整理するのは、ご遺族にとって精神的にも肉体的にも負担の大きい作業です。「一人ではとてもやりきれない…」そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのような時は、専門の業者に依頼することも検討してみましょう。「ライフリセット」という遺品整理専門のサービスがあります。故人様のお部屋を、ご遺族に寄り添いながら丁寧に整理してくれます。遺品整理だけでなく、生前整理のご相談も可能です。ご両親が亡くなられたご家族だけでなく、ご自身が将来に備えて依頼されるケースも増えています。
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まとめ:自分らしい「後悔しないお別れ」のために
ご葬儀という慣れない場では、「これで大丈夫だろうか?」と不安に思うことは誰にでもあることです。しかし、その不安は、故人様を大切に想う気持ちから生まれるものです。
今回の記事で、葬儀での靴選びのポイントや、その他のお役立ち情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
ご葬儀は、準備する時間も心もなかなか落ち着かないものです。もし、より詳しい情報が必要であれば、私のブログの他の記事もぜひご覧になってみてください。
これらの記事が、皆さんの不安を少しでも和らげ、心穏やかに故人様とのお別れに臨むための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
大切な方を心から見送るために、今できる準備を一緒に考えていきましょう。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。