こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。
以前、父を突然亡くした経験から、葬儀社で12年間プランナーとして働いていました。これまでに800件を超えるご葬儀に携わらせていただき、その中で多くの「別れの言葉」に立ち会ってきました。
ご葬儀は、故人様とのお別れをする大切な時間です。言葉にするのが難しい、さまざまな感情が渦巻く瞬間でもあります。故人様に伝えたい感謝の気持ち、生前の思い出、そして最後の「さようなら」。それらの思いをどのように言葉にすれば良いのか、悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ご葬儀の場で故人様に贈る「別れの言葉」について、その選び方や心構え、具体的な例文まで、私の経験をもとに詳しくお伝えしていきます。
葬式で「別れの言葉」を伝えることの意味
ご葬儀は、故人様を偲び、その安らかな旅立ちを祈る儀式です。その中で、ご遺族や親しかった方々が故人様へ向けて言葉を贈る機会が何度かあります。
たとえば、ご葬儀の閉式後に行われるお別れの儀や、火葬場へ向かう前に行われるお花入れの儀。そして、ご葬儀の形式によっては、弔辞や弔電という形で言葉が読み上げられることもあります。
これらの場面で言葉を伝えることは、単なる形式ではありません。それは、故人様との最後の会話であり、ご自身の心を整理するための大切な時間です。
- 感謝の気持ちを伝える
- 「お父さん、長生きしてくれてありがとう」「いつも優しく見守ってくれてありがとう」など、心からの感謝を伝えることで、故人様も安らかに旅立てると信じられています。
- 思い出を語り合う
- 故人様との楽しかった思い出や、心温まるエピソードを語ることで、故人様の存在を再確認し、参列者の方々と故人様との絆を分かち合うことができます。
- 気持ちの整理をする
- 言葉にすることで、自身の心の中にある悲しみや後悔、さまざまな感情と向き合い、区切りをつける手助けとなります。
多くの方にとって、大切な方との別れは、人生で最も辛く、苦しい経験の一つです。特に、突然の別れだった場合は、心の準備ができていないままご葬儀を迎えることになります。そんな時でも、たとえ短くても、自分の言葉で想いを伝えることは、ご自身の心の癒しにもつながるのです。
誰が「別れの言葉」を述べるのか?
ご葬儀で言葉を述べる方に、厳密な決まりはありません。しかし、一般的には以下のような方が故人様への言葉を述べる機会が多いです。
- 喪主
- ご葬儀の最後に行う喪主挨拶の中で、故人様への感謝と、参列者への御礼を述べることが多いです。
- ご親族を代表して、故人様との別れの言葉を述べる、最も重要な役割の一つと言えるでしょう。
- ご遺族(配偶者、お子様、ご兄弟)
- お花入れの儀などで、故人様のそばに寄り添い、個人的な別れの言葉を伝えることが多いです。
- 言葉を述べるかどうかに決まりはありません。大切なのは、ご自身の気持ちに素直になることです。
- 親しいご友人や知人
- 故人様と特に親しかったご友人や、生前お世話になった方が、弔辞という形で故人様との思い出を語り、お別れの言葉を述べることがあります。
- これは、ご遺族から依頼された場合に行われるのが一般的です。
ご葬儀の形式や地域の習慣によっても、言葉を述べるタイミングや機会は異なります。大切なのは、誰が述べるかという形式よりも、「どのような思いを込めるか」です。
「別れの言葉」を考える際の心構え
いざ言葉にしようとすると、何から話していいのか、どのように表現すれば良いのかわからなくなってしまうかもしれません。ここでは、言葉を考える際の心構えをいくつかお伝えします。
1. 飾らない、ご自身の言葉で
難しい言葉や立派な言葉を使おうとしなくても大丈夫です。心から故人様を想う、素直な言葉が一番故人様に届きます。
- 「おじいちゃん、本当にありがとう」
- 「お母さん、安らかに眠ってください」
- 「これからも、みんなのことを見守っていてね」
このような短い言葉でも、心を込めて伝えれば、故人様にも参列者の方々にもその思いは伝わります。
2. 生前の思い出を具体的に
故人様との思い出を具体的に語ることで、その方の存在を鮮やかに思い出すことができます。
- 「いつも朝早く起きて、畑仕事をする姿が目に焼き付いています」
- 「私が困っている時に、いつもさりげなく助けてくれたこと、感謝しています」
- 「一緒に旅行に行った時に、美味しいものをたくさん食べて、楽しかったね」
特別なことでなくても構いません。 日常の些細な出来事が、その人らしさを物語る大切な思い出となります。
3. 感謝の気持ちを伝える
別れの言葉で最も伝えたいことの一つは、感謝の気持ちではないでしょうか。
- 「たくさんの愛情をありがとう」
- 「色々なことを教えてくれて、本当にありがとう」
- 「〇〇さんの人生は、私たちに多くの希望を与えてくれました」
「ありがとう」という言葉は、言われて嬉しくない人はいません。最後の言葉として、心からの「ありがとう」を伝えてあげてください。
4. 故人様の安らかな旅立ちを願う
故人様の旅立ちが安らかなものであるように、祈りを込めて言葉を贈ります。
- 「どうか安らかにお眠りください」
- 「向こうで、お父さんと仲良く過ごしてね」
- 「私たちは大丈夫だから、安心して旅立ってください」
「故人様は一人ではない」というメッセージを伝えることで、残された方々の心も少し軽くなるかもしれません。
葬儀の場面別「別れの言葉」の例文集
ここでは、ご葬儀のさまざまな場面で使える「別れの言葉」の例文をご紹介します。あくまで一例ですので、ご自身の気持ちに合わせて自由に言葉を紡いでみてください。
1. お花入れの儀で、ご遺体に語りかける言葉
お花入れの儀は、故人様のご遺体の周りに、生花を添えながらお別れをする儀式です。この時、故人様のお顔に直接語りかけることができます。
例文:配偶者から
「〇〇さん、いままで本当にありがとう。長い間、たくさんの苦労をかけてしまったね。でも、あなたと一緒だったから、どんな時も幸せでした。子どもたちも、立派に育ってくれたよ。安心して、ゆっくり休んでください。私も、子どもたちと一緒に、あなたのことをずっと見守っているからね。」
例文:お子様から
「お父さん(お母さん)、今まで本当にありがとう。たくさんの思い出をありがとう。お父さん(お母さん)がしてくれたことは、決して忘れません。これからは、お父さん(お母さん)の分も、家族みんなで力を合わせて頑張っていくからね。どうか安らかに眠ってください。」
例文:ご友人から
「〇〇さん、まさかこんなに早くお別れが来るなんて、思ってもみませんでした。いつも笑顔で、周りのみんなを明るくしてくれたね。一緒に飲んだお酒、語り合った夢、どれも大切な思い出です。天国から、私たちのことを見守っていてね。さようなら、そして、ありがとう。」
2. 弔辞の例文(故人様との関係別に)
弔辞は、故人様のご生涯や人柄を偲び、別れの言葉を述べるものです。ご遺族から依頼された場合、事前に内容を考え、原稿を作成しておくのが一般的です。
例文:友人代表として
「(故人様のお名前)さん、この度は本当に突然のことで、未だに信じられない気持ちでおります。友人代表として、ご指名いただきました(ご自身の名前)です。
〇〇さんとの出会いは、大学のサークルでした。いつも明るく、周りの中心にいる存在で、私もすぐに〇〇さんの人柄に惹かれました。一緒に夢を語り合い、時には徹夜で語り明かしたことも、今となってはかけがえのない思い出です。
〇〇さんは、いつも周りのことを気遣い、困っている人がいれば、黙って手を差し伸べる、そんな優しい人でした。その温かい人柄は、私たち友人だけでなく、たくさんの人々に慕われていました。
〇〇さん、あなたが残してくれたたくさんの思い出と、私たちに教えてくれた温かい心を胸に、私たちはこれからも生きていきます。どうか安らかに、私たちを見守っていてください。心よりご冥福をお祈りいたします。安らかに、さようなら。」
例文:職場の上司として
「この度、〇〇さんのご逝去を悼み、謹んでお別れの言葉を述べさせていただきます。
〇〇さんは、入社以来、常に責任感が強く、どのような仕事にも真摯に取り組んでくれる、当社にとってかけがえのない存在でした。特に、〇〇プロジェクトでは、その卓越したリーダーシップでチームをまとめ、多大な成果を上げてくれました。
仕事面だけでなく、後輩の面倒見も良く、いつも周りを気遣う優しさを持っていました。〇〇さんの存在は、職場の私たちにとって、大きな支えとなっていました。
〇〇さん、あなたの残した功績と、その温かいお人柄は、これからも私たちの心の中で生き続けていくことでしょう。安らかに、そして心置きなく、お休みください。心からご冥福をお祈りいたします。」
弔辞は、故人様の人柄を伝える重要な役割があります。故人様との関係性を踏まえ、具体的なエピソードを交えながら、その人らしい言葉を紡ぐことが大切です。
葬儀の準備と心構え:もしもの時に備えて
大切な方とのお別れは、いつか必ず訪れます。その時に慌てないためにも、事前に少しでも準備をしておくことが、後悔しないお見送りの第一歩となります。
1. 葬儀の形式や費用について知っておく
ご葬儀は、家族葬や一般葬、一日葬、火葬式など、様々な形式があります。それぞれの形式によって、費用や内容は大きく異なります。
- 家族葬:ご親族やごく親しい方のみで行う小規模なご葬儀。
- 一般葬:会社関係の方やご近所の方など、幅広い参列者を招いて行う、最も一般的なご葬儀。
- 一日葬:お通夜を行わず、告別式と火葬を一日で行うご葬儀。
- 火葬式(直葬):通夜・告別式などの儀式を行わず、火葬のみを行うご葬儀。
突然の別れに直面すると、深い悲しみの中で、葬儀の準備を進めなければなりません。そんな時、事前に情報を知っておくことは、大きな助けとなります。
「いったい何から手をつければいいの?」
「どの葬儀社に頼めばいいの?」
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2. 葬儀後の手続きや遺品整理について
ご葬儀が終わっても、様々な手続きが残っています。
- 年金や健康保険の手続き
- 銀行口座の解約
- 相続手続き
さらに、故人様が残された遺品の整理も大きな負担となります。ご自宅にモノが溢れていて、ご自身での整理が難しいと感じる方もいるでしょう。そんな時は、遺品整理の専門業者に相談するのも一つの選択肢です。
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葬儀のマナーと服装について
ご葬儀に参列する際、故人様やご遺族に失礼のないよう、マナーや服装をきちんと把握しておくことが大切です。
1. 喪服の選び方とマナー
喪服は、故人様への弔意を表すための大切な装いです。
- 男性:ブラックスーツを着用するのが一般的です。ネクタイ、靴下、靴も黒で統一します。
- 女性:ブラックフォーマルウェアを着用するのが一般的です。肌の露出は控え、ストッキングは黒を着用します。
突然の訃報で喪服がない、サイズが合わない、という時でも、慌てなくても大丈夫です。最近では、喪服や礼服のレンタルサービスを利用する方も増えています。
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2. 香典返しについて
ご葬儀でいただいた香典へのお返しとして、香典返しを贈るのが一般的です。
- 時期:忌明け(四十九日法要後)から1ヶ月以内に贈ります。
- 金額:いただいた香典の半額~3分の1程度の品物を選ぶのが一般的です。
- 品物:お茶、コーヒー、海苔、お菓子などの消え物や、カタログギフトなどが人気です。
香典返しは、感謝の気持ちを伝える大切な機会です。ギフト専門店である【シャディギフトモール】では、様々な用途に対応できる1万点以上の商品が揃っています。のし紙やメッセージカードも無料で用意されているので、安心して利用できます。
最後に:後悔しないお別れのために
ご葬儀で伝える「別れの言葉」は、故人様への最後のメッセージであり、ご自身の心の整理をするための大切な時間です。
「もっと話しておけばよかった」
「最後に『ありがとう』と伝えたかった」
そうした思いを抱えている方も多いかもしれません。ですが、どんなに短い言葉でも、心からの気持ちは必ず故人様に届きます。
この記事でご紹介した例文は、あくまでヒントです。どうか、ご自身の心に寄り添い、故人様への想いをそのまま言葉にしてみてください。それが、後悔のないお別れにつながると、私は信じています。
そして、もしもの時に慌てないためにも、事前に葬儀の情報を集めておくこと、専門家の手を借りることも、ご遺族の負担を軽減する大切な準備となります。
このブログが、あなたやご家族の未来が少しでも安心に近づくための一助となれば幸いです。