こんにちは。ブログ「家族を想うお葬式ガイド」を運営しているKeisukeです。
現在42歳、以前は12年間、葬儀社でプランナーとして働いており、これまでに800件以上のご葬儀に携わってきました。
ご家族を亡くされた方から、お葬式に関するさまざまなご相談をいただく中で、とてもデリケートなご質問をいただくことがあります。それは、「葬儀のとき、私はお化粧をしない方が良いのでしょうか?」というものです。
多くの方が、故人様との最期のお別れを大切にしたいと願う一方で、喪主やご親族としての振る舞いに不安を感じていらっしゃいます。特に女性は、「薄化粧がいいのか、それともノーメイクが良いのか」「涙で化粧が崩れたらどうしよう」など、さまざまな思いが頭をよぎるかもしれません。
今回は、そんなお葬式での「化粧」に関する疑問に、これまでの経験をもとに、心を込めてお答えしたいと思います。
大切なのは、マナーやルールだけでなく、故人様と、そしてご自身の心に寄り添うこと。このお話が、あなたにとって少しでも心の支えになれば幸いです。
なぜ「葬式で化粧をしない」という話があるのか?
お葬式での身だしなみについてお話しする前に、まず「なぜ、お葬式で化粧をしない方がいいと言われることがあるのか」という背景を、一緒に考えてみましょう。
これは、日本の古くからの文化や考え方、そして葬儀という場の意味合いが深く関わっています。
1. 「死」と「穢れ」という伝統的な考え方
昔から日本では、「死」は特別な状態とされ、その場にいる人々は「穢(けが)れ」に触れていると考えられてきました。ここでいう「穢れ」とは、不浄なもの、というよりは、日常とは違う、神聖な意味合いを持つものです。
そのため、日常的な装いや華美な身なりは慎むべきとされ、普段のおしゃれを楽しむための化粧は、ふさわしくないとされてきました。これは、喪服が黒一色であることや、結婚指輪以外のアクセサリーを外すマナーにも通じる考え方です。
2. 故人様への敬意と、弔意を示すため
お葬式は、故人様とのお別れをするための大切な儀式です。参列者は、故人様の死を悼み、そのご冥福を心から祈るために集まります。
その際、華やかな化粧や、派手なファッションは、故人様への敬意や弔意を示す場にはふさわしくないとされます。これは、「お別れの場で、自分を飾ることは控えるべき」という、謙虚な姿勢の表れと言えるでしょう。
3. 涙で化粧が崩れることへの配慮
これは、少し現実的な理由です。お葬式では、故人様を思い、涙を流すことが多くあります。
特に、喪主やご親族は、参列者への挨拶や、お焼香などで人前に出る機会も多く、涙を拭うたびに化粧が崩れてしまうと、かえって見栄えが悪くなってしまうことがあります。
「崩れた化粧を直すために席を立つ」という行為も、故人様との最期のお別れの時間を妨げてしまう可能性があり、そうした状況を避けるためにも、最初から化粧を控える、あるいは薄化粧に留めておく、という考え方もあるのです。
このように、「お葬式で化粧をしない」という背景には、日本の伝統的な考え方や、故人様への敬意、そして現実的な配慮が複雑に絡み合っています。
しかし、これらの考え方は時代とともに変化し、現代では「お化粧をしないといけない」という厳格なルールではなく、「どうすれば故人様を心から悼み、ご遺族としてふさわしい振る舞いができるか」という、より個人の気持ちに寄り添った考え方が主流になってきています。
現代における「お葬式の化粧」の正しいマナーとは?
さて、ここからは、現代におけるお葬式の化粧について、具体的なポイントをお話ししていきます。
大切なのは、「マナーとしてのノーメイク」ではなく、「故人様やご親族、そしてご自身の気持ちに寄り添うための身だしなみ」という考え方です。
結論から言うと、現代のお葬式では、基本的には薄化粧がマナーとされています。
「え?ノーメイクじゃないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は、完全にノーメイクで出席すると、人によっては「顔色が悪く見える」「疲れて見えてしまう」といった印象を与え、かえってご遺族が心配してしまうこともあります。
お葬式は、故人様を偲ぶ場であると同時に、ご親族や参列者の方々との大切な交流の場でもあります。喪主やご親族として、きちんと故人様をお見送りする姿勢を示すためにも、健康的な顔色でいることは、とても大切なことです。
では、具体的に「薄化粧」とは、どのような化粧を指すのでしょうか。
1. ベースメイク:健康的な顔色を意識する
ファンデーションは、厚塗りを避け、ご自身の肌に合う色を選びましょう。
くすみが気になる場合は、コントロールカラーや下地で整えると、自然な明るさが出ます。目の下のクマをコンシーラーで隠すのも良いでしょう。
あくまでも「顔色を整える」という目的で、控えめに仕上げることがポイントです。
2. アイメイク:色味とラメはNG
アイシャドウは、パールやラメが入ったものは避け、ごく薄いベージュやグレーなど、肌なじみの良い色を選びます。
ビューラーでまつ毛を軽く上げる程度は構いませんが、つけまつげやカラーマスカラはNGです。
アイラインも、引く場合は細く、目尻をはね上げたりせず、自然な印象に留めましょう。
お葬式で化粧をしない選択をする理由
前章で「薄化粧がマナー」とお伝えしましたが、それでも「お化粧をしない」という選択をされる方もいらっしゃいます。その理由は、一概に「マナー違反」とは言えない、非常に個人的で、そして心に寄り添うものです。
たとえば、次のような理由が挙げられます。
1. 故人様とのお別れの時間を、心のままに過ごしたい
お葬式では、故人様との思い出がよみがえり、自然と涙があふれてくるものです。特に、故人様とごく近しいご関係だった方は、涙をこらえること自体が苦しい時間となります。
そんな時、「化粧崩れを気にしながら涙を拭う」という状況は、故人様とのお別れの時間を純粋に悲しむ妨げになってしまうかもしれません。
「余計なことを気にせず、ただ故人様との最後の時間を大切にしたい」という思いから、あえてノーメイクを選ぶ方もいらっしゃるのです。
2. お肌がデリケートなため
敏感肌やアトピー性皮膚炎などで、普段から化粧品の使用を控えている方もいらっしゃいます。
また、急な訃報で心身ともに疲れている状態では、お肌に負担をかける化粧をすること自体がストレスになることもあります。
このような場合は、無理をして化粧をする必要はありません。ご自身の体調を第一に考え、できる範囲で身だしなみを整えることが大切です。
3. 故人様が生前、ノーメイクを好んでいた
故人様が生前、「飾らない自然な姿が好き」と話されていたり、ご自身も普段からノーメイクで過ごされる方だった場合、「故人様の前では、いつもの自分でいたい」という思いから、化粧をしない選択をされる方もいます。
これは、故人様への深い愛情と、お二人だけの特別なつながりの表れと言えるでしょう。
このように、「化粧をしない」という選択には、さまざまな個人的な理由があります。
大切なのは、「なぜその選択をするのか」という、ご自身の心と向き合うことです。
「マナーだから」という理由だけで無理にノーメイクを選ぶのではなく、故人様への思い、そしてご自身の心の状態を尊重して、どうするべきかを決めることが、何よりも重要です。
お葬式の服装・化粧に迷ったら?
お葬式は、急なことで、準備する時間もあまりありません。そのため、「これでいいのかな?」と不安になることがたくさんあります。
特に、服装や化粧は、人から見られる部分なので、マナー違反にならないか心配になりますよね。
そんな時は、信頼できる専門家に相談するのが一番安心です。
私も以前、葬儀社で働いていた時に、ご遺族から「喪服がないのですが、どうしたらいいですか?」とか、「化粧はしなくてもいいですか?」といったご質問を数多くいただきました。
故人様を想う気持ちが一番大切
今回は、お葬式での「化粧」について、さまざまな視点からお話させていただきました。
お葬式は、故人様との最期のお別れの場であると同時に、悲しみを乗り越えるための第一歩を踏み出す大切な時間です。
服装や化粧などの身だしなみももちろん大切ですが、一番大切なのは、故人様を心から想う気持ちです。
マナーやルールに縛られすぎて、ご自身の心を犠牲にすることはありません。
故人様との思い出を胸に、ご自身の気持ちに正直に、後悔のないお見送りの時間をお過ごしください。
葬儀準備で困った時に頼れるサービス
突然の訃報で、葬儀の準備に奔走されている方もいらっしゃるかもしれません。
私も父を突然亡くした際、何から手をつけて良いか分からず、本当に苦しい経験をしました。葬儀社選び一つとっても、何を基準に選べば良いのか、費用はどのくらいかかるのか、不安でいっぱいでした。
そんな時に知っていれば、と心から思うのが「相見積もりサービス」です。
【安心葬儀】というサービスをご存じでしょうか。
このサービスは、東証プライム上場企業である株式会社エス・エム・エスが運営しており、全国7,000社以上の優良葬儀社の中から、ご希望の条件に合う会社を複数紹介してくれます。
相見積もりを取ることで、費用を比較検討できるだけでなく、各社のサービス内容やプランをじっくりと見比べることができます。
逝去後数時間以内に葬儀社を決めなければならない状況で、焦って一社に決めてしまい、「こんなはずじゃなかった」と後悔される方は少なくありません。
特に、葬儀には十数万円から数百万円というまとまった費用がかかります。後悔のないお見送りのためにも、信頼できる葬儀社を選ぶことはとても重要です。
「安心葬儀」のサービスを利用すれば、時間がない中でも、複数の葬儀社から見積もりを取り、納得のいく形で決定することができます。
これからご家族の葬儀を検討されている方や、終活の一環として情報を収集されている方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
喪服の準備も、焦らずに
お葬式で「何を着ていけばいいの?」と悩む方も多いと思います。
特に、久しぶりに喪服を着ようと思ったら、サイズが合わなくなっていたり、デザインが古く感じたりすることもありますよね。
そんな時に便利なのが、喪服のレンタルサービスです。
私も以前、葬儀社で働いていた時に、ご遺族の方から「急なことで喪服が準備できない」という相談を数多く受けました。
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また、人気のブランドも多数取り扱っており、質の良い喪服をリーズナブルに利用できるのも魅力です。
返却時のクリーニングも不要なので、お葬式後の片付けに追われている時でも、手間がかからず助かります。
「大人として、マナーを疎かにできない」と感じている方や、急なご入用で喪服の準備が間に合わない方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
✅ マナー・デザイン・質にこだわる方の喪服・礼服のレンタルCariru BLACK FORMAL
香典返しについて
お葬式が終わると、今度は「香典返し」の準備が始まります。
香典返しは、香典をいただいた方への感謝の気持ちを伝える大切な贈り物です。
何を贈れば失礼にならないか、どのくらいの金額のものを選べば良いのか、悩まれる方も多いでしょう。
お返し選びに困った際は、ギフト専門店の【シャディギフトモール】がおすすめです。
シャディは1926年創業の老舗で、さまざまな用途に対応できる1万点以上の商品を揃えています。
香典返しにふさわしい、カタログギフトや日用品、お菓子など、豊富な品揃えの中から、贈る相手にぴったりのギフトを見つけることができます。
包装やのし紙、メッセージカードも無料で用意してくれるので、安心して利用できます。
「香典返し」に関する詳しいマナーや選び方については、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
故人様の遺品整理について
お葬式の後、ご遺族が直面する大きな課題の一つに「遺品整理」があります。
故人様が大切にされていたお品や、生活に使われていた品々を前にすると、何から手を付けて良いか分からず、途方に暮れてしまう方も少なくありません。
私も以前、ご遺族の方から「遺品整理がなかなか進まないんです…」というご相談を受けることがありました。
遺品整理は、故人様を偲ぶ大切な時間であると同時に、非常に心身ともに負担がかかる作業です。
もし、ご自身で遺品整理を行うのが難しいと感じたら、専門の業者に依頼するのも一つの方法です。
遺品整理専門の【ライフリセット】は、故人様のお部屋に残された遺品や不要物を丁寧に整理してくれるサービスです。
ご家族が亡くなられて依頼される方が多いですが、最近ではご本人様が生前、整理しておく「生前整理」として利用されるケースも増えています。
遺品整理は、単に物を片付けるだけでなく、故人様の思い出と向き合う時間でもあります。
無理に一人で抱え込まず、専門の力を借りることで、故人様との最後の時間を穏やかに過ごすこともできるのです。
「遺品整理」や「生前整理」について詳しく知りたい方は、一度相談してみることをお勧めします。
お葬式の準備、今からできること
お葬式は、誰もがいつか経験することですが、その準備はなかなか進まないものです。
「まだ早い」と思っているうちに、突然その時が来てしまうこともあります。
大切なのは、いざという時に慌てないよう、少しずつでも情報を集めておくことです。
「お葬式の服装」や「お葬式の流れ」について、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
今回のブログが、あなたにとって「後悔のないお別れ」のためのヒントになれば幸いです。
終活やお葬式について、もし何かご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
あなたの心に寄り添いながら、一緒に考えるお手伝いができればと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Keisuke(けいすけ)|元葬儀社プランナーの終活ブログ運営者